これは「悲願」か「終わりの始まり」か――。1999年に資本提携して以来、日仏連合(アライアンス)を組んできた日産自動車とフランスRenault(ルノー)。出資比率のゆがみや複雑に絡まるIP(知的財産)の整理など、積年の課題を解決した。新たな船出を宣言すべく用意した英ロンドンでの共同会見。「独立記念日」を祝うはずの2023年2月6日は、どこか緊張感が漂っていた。日産とルノーはどこへ向かうのか。

特集
日産・ルノーの新秩序
“ゴーンの足かせ”を超えて
目次
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「ゴーンの遺産」断ち切れたか
Part1 日産・ルノー対等出資へ
日産自動車とフランスRenault(ルノー)が提携関係の見直しで合意した。両社の出資比率を15%ずつの対等にし、長年のゆがみを解消する。Carlos Ghosn(カルロス・ゴーン)氏の“独裁”でこじれた知的財産の取り扱いも整理した。新たな船出となる両社だが、電気自動車(EV)の新会社「Ampere…
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共通プラットフォームの限界
Part2 日産は「自由」になれるか
出資比率で対等になる日産自動車とフランスRenault(ルノー)。自由度が高まる日産にとって、大きなテーマとなるのがプラットフォーム(PF)開発だ。規模を追求し、共通PFを使う車両をグロ-バル展開する戦略は負の側面が目立ち始めた。地域ごとに異なる規制や好みに合わせられる柔軟性が競争力を左右する。
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「新たな船出」私はこう見る
Part3 識者の視点
「アライアンスは結婚のようなもので、いいときもあれば悪いときもある」―。フランスRenault(ルノー)のトップは、日産自動車と歩んだ24年間をこう表現する。自動車業界をよく知る識者や元日産の技術者は「新たな船出」をどう受け止めたか。彼らの声から、日産やルノーが“結婚生活”で抱えてきた課題や今後の…