日産自動車とフランスRenault(ルノー)が提携関係の見直しで合意した。両社の出資比率を15%ずつの対等にし、長年のゆがみを解消する。Carlos Ghosn(カルロス・ゴーン)氏の“独裁”でこじれた知的財産の取り扱いも整理した。新たな船出となる両社だが、電気自動車(EV)の新会社「Ampere(アンペア)」をはじめ課題は残る。
意志が見えたのは、会見が始まってから1時間が過ぎた頃だった。「50%以上の過半数は絶対に維持する。我々の将来が懸かっているのだから」。ルノーグループCEO(最高経営責任者)のLuca de Meo(ルカ・デメオ)氏はこう言い切った。
ルノーと日産自動車が、ゆがみのあった出資比率の見直しで合意した。ルノーが保有する日産株の比率を15%まで引き下げて対等出資とする(図1)。この合意を受け、三菱自動車を加えた日仏3社連合(アライアンス)は2023年2月6日、英ロンドンで共同会見を開いた。
日産社長兼CEOの内田誠氏は「対等なパートナーシップは変革を可能にするもの。相互信頼を深め、各社の強みを生かすことが重要だ」と新たな船出を宣言した。これまでの提携関係についてデメオ氏は、「譲歩の文化になっていた。黄色と赤の主張の中でオレンジになってしまった」と振り返った。今後は「健全に交渉できるようにしたい」(同氏)とした。