近年、安全・環境問題に対する規制の強化や、カーエレクトロニクス技術の発展、グローバル化によるコスト競争の激化などを背景に、自動車技術は大きな転換期を迎えています。こうした情報ニーズに応えるため、年12回の月刊誌と毎日Web上で発信するニュースサイトで最新の技術情報を提供してまいります。
『日経Automotive Technology』は、2015年1月からの月刊化に伴い、誌名を『日経Automotive』に変更します。
近年、安全・環境問題に対する規制の強化や、カーエレクトロニクス技術の発展、グローバル化によるコスト競争の激化などを背景に、自動車技術は大きな転換期を迎えています。こうした情報ニーズに応えるため、年12回の月刊誌と毎日Web上で発信するニュースサイトで最新の技術情報を提供してまいります。
『日経Automotive Technology』は、2015年1月からの月刊化に伴い、誌名を『日経Automotive』に変更します。
再び脚光 V2X通信への挑戦
自動運転の高度化や交通事故死者ゼロの実現に向け、再び注目を集めているのがV2X(Vehicle to Everything)通信である。車載センサーを駆使して自動運転や運転支援を行う自律型のシステムに限界が見えてきたからだ。V2X通信を使い、外部と情報のやりとりができる協調型システムとすれば、そう…
液系か、全固体か EV電池最前線
電気自動車(EV)向け電池の開発競争で中国と韓国の電池メーカーが主役に立つなか、欧州勢や米国勢は既存の液系リチウムイオン電池の製造技術を革新し、巻き返しを図る。一方、電池メーカーの存在感が低下する日本勢は、自動車メーカー大手3社が全固体電池の自社開発を表明する。混沌とするEV電池開発の最前線を報告…
広がるオンライン販売
オンライン販売の対象が、「クルマ」から「機能」に広がってきた。マツダは2021年9月、既販車のディーゼルエンジンの制御ソフトウエアを店舗で更新し、性能を最新仕様に向上させる事業を始めた。マツダとトヨタ自動車は、ソフト更新によって既販車の先進運転支援システム(ADAS)の機能を改善する事業も手掛ける…
トヨタ「ミライ」分解
電動化と自動運転という2大トレンドとどう向き合うか―。自動車業界が転換点を迎える中で登場したのが、トヨタ自動車の2代目燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」だ。コスト半分以下を達成した燃料電池システムやOTA(Over The Air)で進化する高度運転支援技術「Advanced Drive…
クルマのデジタル開発最前線
ソフトウエアを中心とする次世代車の開発では、さまざまな企業が連携するエコシステム(生態系)の強さが競争力の鍵を握る。シミュレーションを駆使するモデルベース開発(MBD)の現場では、日本中に散らばる大小さまざまな企業の力を集結させる新たな取り組みが始まった。車載アプリケーションの開発では、世界中のソ…
無人運転に挑む日本のMaaS
遠隔監視のみで無人で運行するMaaS(Mobility as a Service)を目指し、日本における取り組みが活発化してきている。早ければ2022年度にも社会実装が始まる様相だ。
EV狂乱、電池争奪戦
ディーゼル不正で失墜した「環境の欧州」―。その巻き返しが強烈で、ハイブリッド車を追い払い、電気自動車(EV)に突き進む。中核の電池は、早くも争奪戦の様相だ。欧州はEVと電池の開発に新たな競争軸を矢継ぎ早に打ち出し、EV覇権をもくろむ。日本や中国への対抗意識が強くにじむ欧州EV開発の思惑に迫る。
自動ブレーキセンサー覇権争い
自動ブレーキを巡る日系自動車メーカーの覇権争いが激しくなってきた。夜間歩行者を対象にしたJNCAPの最新(2020年度)試験では、単眼カメラだけを使うホンダのシステムが強さを見せた。SUBARU(スバル)や日産自動車などのシステムも、ホンダと並び最高点を獲得した。ただ自動ブレーキの試験条件は、24…
VW「ID.3」分解
雨の横浜港に1台の電気自動車(EV)が上陸した。ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)の「ID.3」だ。同社が初めて手掛けたEV専用プラットフォーム(PF)を搭載し、OTA(Over The Air)によるソフトウエア更新に対応する。EVに社運を賭け、ソフト企業への転身を図るVWの…
自動車セキュリティー22年義務化に備える
2022年から欧州や日本などで自動車のサイバーセキュリティー対策が義務化される。これまでクルマの“安心・安全”は自動ブレーキなどのセーフティーが中心だった。半導体やソフトウエアを満載する次世代車では、セキュリティーが鍵を握る。セキュリティーに穴があれば、セーフティーも失われかねないからだ。スマート…
どうする軽自動車の電動化
2035年に期限が迫る新車の乗用車の全車電動化。登録車に比べて電動化が遅れ、ハイブリッド車(HEV)といえば簡易HEV (MHEV)という状況の軽自動車にとっては喫緊の課題だ。そんな軽自動車に重くのしかかるのが、30年度からの乗用車の次期燃費基準。現状のMHEVよりも燃費改善効果の高い電動車が求め…
クルマの熱を制する
裏方としてクルマを支えてきた熱マネジメントシステムが、電動化の波に乗って一気に表舞台に躍り出る。電池やモーターなどを最適な温度に制御しつつ快適な空調を実現する統合型のシステムへの関心が高まる中で、いち早く実用化したのが米Tesla(テスラ)だ。
逆風の軽量化素材
自動車の資源採掘から生産、流通、廃棄までライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)排出量を評価するLCA(Life Cycle Assessment)。欧州や中国で進む規制化の検討を受けて逆風となるのが、炭素繊維強化樹脂(CFRP)やアルミニウム(Al)合金、ホットスタンプ成形法である。車体の軽量化…
アップルカーの衝撃
米Appleが電気自動車の開発を模索する中、早くもどんな車か百家争鳴の様相だ。スマートフォンを発明したAppleならば、既存の退屈な車を再定義するとの期待が高まる。一方で自動車産業の秩序を破壊しかねない。ビジネスモデル、開発、生産、販売、部品供給網(サプライチェーン)に変革を迫る。2025年前後の…
2極化する小型車ボディー
小型車のボディー骨格には、軽さと高い衝突安全性が求められる。最も高い強度が求められる骨格の部位にはこれまで、ホットスタンプ(高張力鋼板の熱間プレス材)が使われてきた。だが、ホットスタンプと同じ強度の高張力鋼板(冷間プレス材)が実用段階に入り、ホットスタンプを追い上げる。冷間プレス材では、ホットスタ…
ソフトウエアファーストのクルマ開発
クルマの付加価値がソフトウエアにシフトすると言われて久しい。ECU(電子制御ユニット)開発の現場ではプロジェクトの規模や複雑さが指数関数的に増大している。これまでの開発手法が通用せず、自前の基本ソフト(OS)やクラウドベースの開発/テスト環境など、“IT流”の手法を駆使して乗り切る方向である。ただ…
エンジンはもっときれいになる
カーボンニュートラルの実現に向けた「脱エンジン車」宣言―。エンジンは、かつてないほどの存続の危機に見舞われている。だが、逆風はそれだけではない。排ガス規制だ。もっとクリーンにならなければ生き残れない。排ガス規制強化の方向性とさらなるクリーン化に向けた方策を探った。
エンジン車にも電動ブレーキ
「ブレーキは怖い部品。できれば変更したくない」―。ある自動車メーカーのチーフエンジニアが漏らす。それにもかかわらず、SUBARU(スバル)やトヨタ自動車、ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン)など、ブレーキシステムの刷新・改良が相次いでいる。各社が採用を加速させているのが電動油圧ブレーキ…
ソニー・鴻海参入の衝撃
自動車開発で、ハードウエアとソフトウエアの「分業」が始まった。主戦場は自動運転ソフト。どこまで自ら開発し、どこを他社に委ねるのか。新興勢を巻き込み、「分業」と「統合」の激しい駆け引きが始まった。一方で、付加価値が下がるハード(車体)の開発は、電気自動車(EV)のプラットフォーム単位という、かつて …
統合ECUの主導権を握る
統合ECU(電子制御ユニット)を巡る主導権争いが始まった。背景にあるのは“ビークルOS”などのソフトを重視する考え方だ。ソフトを駆動する統合ECUのハードは、本来は非競争領域のはずだが、技術が端境期にある現在、ハードも巻き込んだ競争が激化している。米Tesla(テスラ)は自前の半導体で特徴を出そう…