リポート
目次
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事前準備でトラブル防ぐ
改正建築物省エネ法の目玉である省エネ性能の説明義務制度が2021年4月に開始される。住宅会社は体制の整備が急務だ。説明不足や評価ミスなどに起因するトラブルの発生も予想される。制度の重要なポイントと準備に必要なノウハウなどを実務者と識者に聞いた。
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避難できない危険な家
防耐火性能を高めるだけでは、戸建て住宅火災による死亡者数を減らせない――。日本建築学会の「住宅の火災安全小委員会」はこう訴える。住民の命を守るには、安全に避難できる経路を考えておく必要がある。同小委員会が示す対策を伝える。
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大工が受け入れた利便性と実務上の課題
ユーザーの本音
大型パネル工法のユーザーはどう見ているか?──。ウッドステーションの工法を常用する工務店や設計事務所、3者に聞いた。
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実施設計を踏まえて部材1つひとつを拾える
要となるのは「施工図」
次に、ウッドステーションの大型パネルで、住宅会社や工務店がまとめる設計図書を工場製作のための「施工図」(パネル製作用図面)に落とし込むプロセスを見てみよう。
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建設現場と違うのは圧倒的な作業性の良さ
生産現場を見に行く
担い手不足と受注競争激化が同時並行で進むなか、家づくりの現場では省力化ニーズがかつてないほど高まっている。注目されている取り組みの1つが、大型パネル工法だ。パネルがどのようにつくられているのか、ユーザーの声とともに紹介する。
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床のリスクを可視化実験
ウイルスを含む飛沫が床に付着すると、日常生活の何気ない行動で家中に拡散する。床に座ったり、寝転がったりして体に移り、ダイニングやキッチンに持ち込まれるのだ。そうした「床のリスク」に対してユーザーの意識は高くない。専門家による最新の可視化実験を紹介する。
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ヒト・モノの動きが急変
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、家づくりの現場にも従来の“日常”を覆す大波が襲った。地域住宅会社や工務店など中小事業者にも、現場のヒト・モノの動きで大きな影響が既に顕在化している。どのような動きが生じているか、生の声から探ってみた。
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「陰圧管理」がカギになる
新型コロナウイルスの感染者が、自宅内で一緒に生活しながら療養せざるを得ないとき―。日本建築学会が換気面の対応方法を公表した。ウィズコロナ時代の換気設計やインフルエンザなどの感染症対策のヒントとして、建て主にも伝えたい知識だ。
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甘く見ると地震時に困る
2020年3月に改正建築士法が施行され、4号建築物でも壁量計算書や4分割法計算書など構造図書の保存義務が課せられた。しかし、建築確認申請の際に構造図書の添付を省略できるのは従来のまま。このため、保存義務の効果を疑問視する声もある。
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抗ウイルスに商機を探る
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、抗ウイルス対応の内装材に注目が集まる。住宅会社もそうした建材を使った住宅商品を積極的に企画し、顧客の関心も高い。抗ウイルス対応の内装材に商機を探る動きが活発化している。
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米国で住宅版「テスラ」
日本人が率いる米国のベンチャー「HOMMA」は、電気自動車で有名な米テスラを手本に、現地の住宅市場に挑む。機器とソフトウエア更新で“進化”し続けるIoT住宅(スマートホーム)を展開。そのコンセプトやアイデア、開発手法からは学べることも多い。
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攻めの「リモート化」大作戦
コロナ禍に伴う政府の緊急事態宣言を契機に、住宅産業にも「テレワーク」が浸透。地域住宅会社や工務店でも、営業面や社内業務面を中心にリモート化が急拡大した。取り組みは「新たな生活様式」として定着しつつあり、商機として積極的に生かす動きも目立つ。
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熊本で全国初の設計指針
熊本県は住宅の伝統構法に関して、構造計算を手慣れていない建築士でも、限界耐力計算で構造的な安全性を確認でき、建築確認の申請書類を容易に作成できる独自の設計指針を2020年3月に作成した。石場建てや耐力壁などの規定で主だった部位の内容を紹介する。
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「倉庫」に商機を見いだす
延べ面積500m2の倉庫と言えば、鉄骨造が常識。工務店の仕事ではない。建築主も工務店もそう思い込む。しかし、それを自らの仕事と捉え、過去最高額の受注に結び付けた工務店がある。初めての中規模木造にどう取り組んだのか――。
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周回遅れの大工待遇改善
建設技能者の就労者数は下げ止まりの傾向にあるのに、大工だけ減り続けている。理由は、他の職種に比べて大工の待遇改善が遅れているから――。そう警鐘を鳴らす芝浦工業大学の蟹沢宏剛教授に、大工の待遇改善への道筋を聞いた。(聞き手は小谷 宏志)
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浸水対策の費用対効果は?
気候変動の影響で豪雨による住宅の浸水被害が頻発している。国立研究開発法人建築研究所は、木造戸建て住宅の浸水被害を軽減する建築時の対策をまとめた。建築費の上昇分と浸水被害時の修復費の軽減分を比較しながら費用対効果を検証した。
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建売住宅で独自の味付け
規格型住宅を安価に提供する建売住宅のイメージが変わりつつある。地域の工務店ならではの差異化を目指す取り組みが増えてきた。省エネ性能も重要なメニューの一つ。加えて居住者の交流を促す工夫を盛り込んだ事例を紹介する。
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対策 室内を浸水させず浮き上がりを防ぐ
基礎ごと浮いた住宅に共通する特徴は、躯体の気密性能が高く、ベタ基礎に基礎断熱を採用していたことだ。この仕様の住宅が浮いた隣の敷地で、布基礎と床断熱を採用した住宅が浮かなかったケースも確認されている。いずれも築半年未満の住宅だった。
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CASE3 住宅C・D・E 他 浮き上がりながら傾き電柱にぶつかる
「浸水深が道路面から1.7mくらいの高さに達した時点で、家が浮いて北側の電柱にぶつかるのを見た」。決壊地点から2km以上北側に立つ住宅Cについて、隣家の住民はこう証言する。現在は建物の南西側が33.2cm浮き上がり、北東側に傾いている状態だ。
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CASE2 住宅B 地下室付き住宅が浮き上がる
決壊地点から約400m西南西側に立つ木造2階建ての住宅Bでは、建物の南側と西側が約13cm浮き上がり、北東側に傾いた。隣の古い別棟は床上浸水だけだ。