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延べ面積500m2の倉庫と言えば、鉄骨造が常識。工務店の仕事ではない。建築主も工務店もそう思い込む。しかし、それを自らの仕事と捉え、過去最高額の受注に結び付けた工務店がある。初めての中規模木造にどう取り組んだのか――。

 この工務店は、サトウ工務店(新潟県三条市)。3人の大工を社員として抱え、戸建て住宅の設計・施工を年間6、7棟規模で手掛ける。

 2020年3月、地上2階建て・延べ面積500m2ほどの倉庫兼事務所の建築工事に着手した。同8月に完成を迎える予定だ〔写真12〕。建築工事費は約7000万円(税抜き)。サトウ工務店にとっては初めての中規模木造で、過去最高の受注額を記録した。

〔写真1〕スパン約11mを確保
〔写真1〕スパン約11mを確保
1階部分は内部でフォークリフトも動き回る倉庫として利用されるため、広々した空間が求められた。ここでは長手方向に2730mm間隔でトラス構造の梁を配列し、スパン約11mを確保した。写真の右は、1階部分はアコーディオンドアで仕切る倉庫、2階部分は事務所(写真:サトウ工務店)
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〔写真2〕木造在来で倉庫を建設
〔写真2〕木造在来で倉庫を建設
新潟県燕市の工業団地内で建設中の倉庫兼事務所。現場は建築基準法上の22条区域。屋根と外壁はアイカ工業「モイスTM」を下地にガルバリウム鋼板で仕上げる予定。ただし、外壁のうち出入口周囲の軒下部分は地元産のスギを用いる予定だ。完成は2020年8月末の見込み(写真:サトウ工務店)
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 新しい領域にあえて挑戦した理由を、佐藤高志代表はこう明かす。「受注額が大きい割に住宅と比べ手間がかからない。利益を出しやすい領域といえる。工務店にとって比較的取り組みやすく、今後の住宅着工減を補えるはずだ」。

 建築主は、ギフト商品の企画や卸売りなどを手掛ける会社、O・S(オーエス)(新潟県燕市)だ。現在使用する鉄骨造の施設が手狭になったため、燕市内の工業団地内に購入した土地に倉庫兼事務所を新築し、そこに全面移転する計画だ。