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 中小の住宅会社やリフォーム会社の社員は経営者に対して、報酬や休日を増やすことよりも公正な人事評価制度を整備することを求めている──。LIXILのグループ会社、LIXIL住生活ソリューションがLIXIL傘下のフランチャイズ(FC)店などを対象にしたアンケート調査からそんな実態が明らかになった。

報酬や休日より「仕事の評価」

 アンケート調査は、LIXIL住生活ソリューションの経営診断サービスを利用したことのある住宅会社やリフォーム会社など計405社に勤務する3914人の社員を対象に、2018年秋から19年9月にかけて実施した。自社の姿勢、社風、待遇などに関する40問の設問に対して、回答者は満足度を6段階のスコアで評価した。

 個々の設問が社員の満足度に与える影響については、各設問のスコア分布を全設問の平均スコアに照らして評価。平均スコアに対するスコアのばらつき度合いの大小を「相関係数」として指標化した。スコアのばらつきが小さい設問は相関係数が高く、社員の満足度への影響が相対的に大きいと判断。反対にばらつきが大きい場合は、社員満足度への影響が小さい設問とする。

 その結果、社員の満足度への影響が大きかった設問の上位には「経営陣は、社員の声に耳を傾けている」「私の上司は、適切な目標を設定し、共有してくれている」などの設問が並んだ。いずれも仕事の評価に関連する設問だ〔図1〕。その一方で、「私は、自分の貢献に見合った報酬を得ている」「私の会社は有給休暇を取得しやすい風土がある」など賃金や休日などの待遇面に関する設問は、従業員の満足度への影響が相対的に小さいと分かった。

〔図1〕社員は人事評価制度の整備を望んでいる
〔図1〕社員は人事評価制度の整備を望んでいる
LIXIL住生活ソリューションが実施した調査の結果。住宅会社やリフォーム会社など計405社、3914人の社員が、40の設問を6段階で評価した。アンケートは2018年秋から19年9月にかけ、ウェブ上で回答する形式で実施。19年11月に集計した(資料:LIXIL住生活ソリューション)
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 調査に当たったLIXIL住生活ソリューション事業企画部の一井啓史部長は「経営者や上司が従業員といかに向き合っているかが重要。日常的な業務の中で、従業員の勤務態度についてきちんと目を配って評価することが求められている」と話す。