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 千葉県内には、2019年9月の台風15号と同10月の19号で被災し、修理に着手できていない住宅がまだ多く残る。修理の需要に対して地元工務店の数は圧倒的に足りない。さらに地元工務店以外に修理の依頼先が分からない被災者が多いことも、修理が遅れている一因だ。

 そうした被災者を支援するため、千葉県は全国木造建設事業協会(全木協)の千葉県協会と結んでいる災害協定を改定。これまでは被災時に木造応急仮設住宅を建設する支援だった協定を、被災住宅の修理も支援できるようにした。

 既に構築された全木協の支援ネットワークを活用することで、早期の修理を期待できる。全国36都道府県と災害協定を結んでいる全木協にとっても、被災住宅の修理まで支援の幅を広げるのは初めての試みだ。

電話相談の窓口を設置

 千葉県と千葉県協会は災害時に木造応急仮設住宅を建設する災害協定を14年に結んだ。県は、今回の台風被害では、応急仮設住宅ではなく被災住宅の修理支援が必要と判断。新たな事業スキームを両者と国土交通省でつくった。

 新たな事業だが、県と千葉県協会は従来の災害協定を改定して対応。さらに協定とは別に、国交省が見積書作成に必要な現地調査の経費の一部を補助する仕組みを追加した。

 千葉県は改定した災害協定に基づき、千葉県協会に「被災住宅工事相談窓口」事業の業務を依頼〔写真1〕。電話相談の窓口を19年11月に設置した。対象となるのは、住宅の「り災証明書」を持つが修理の依頼先を自力で見つけられない被災者だ。

〔写真1〕被災地で出張相談も
千葉県協会がデスクを設けて建築士が対応する相談会の様子。電話相談とは別に、館山市と鴨川市、南房総市、鋸南町で週2回開催する(写真:全国木造建設事業協会千葉県協会)
千葉県協会がデスクを設けて建築士が対応する相談会の様子。電話相談とは別に、館山市と鴨川市、南房総市、鋸南町で週2回開催する(写真:全国木造建設事業協会千葉県協会)
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相談窓口を紹介するちらし(資料:全国木造建設事業協会千葉県協会)
相談窓口を紹介するちらし(資料:全国木造建設事業協会千葉県協会)

 相談事業の流れは次のとおりだ。千葉県協会は、被災者から修理の相談を受けたら状況を聞き取り、協会の登録事業者を現地調査に派遣。登録事業者は見積書を作成して被災者の補助金申請を手助けし、交付が決まったら修理を手掛ける。補助金対象外の改修依頼に対しては別途、請負契約を結んで対応する。

 千葉県協会の登録事業者数は約60社。ちば木造建築ネットワーク、千葉県中小建築工事業協会、千葉土建一般労働組合、全建総連千葉県連合会のいずれかに属し、かつ千葉県内に本社のある建設事業者だ。