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 日本CLT協会は、2020年2月25日と26日の2日間、日本建築総合試験所(大阪府吹田市)内に完成したCLT遮音実験棟の見学会を開催。参加者が遮音性能を体感した〔写真1〕。

〔写真1〕現実の居住環境に即した遮音実験が可能に
〔写真1〕現実の居住環境に即した遮音実験が可能に
CLT遮音実験棟はCLTパネル工法で建設された。2階建てで2つの部屋が隣接する。設計は三井ホームデザイン研究所、施工は大和ハウス工業が手掛けた(写真:田口 由大)
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 天井や床の遮音性能を強化した居室と、全く強化していない居室の2種類を用意。各居室の2階で「歩く」「パイプ椅子を引きずる」「重いボールを落とす」の3つの方法で音を発生させ、1階に伝わる音の差を11人の被験者が体感した〔写真2〕。その結果、歩いたり椅子を引きずったりした場合に「大きな差を感じる」と答えた人が多かった。

〔写真2〕2階で3種類の音を発生させ1階で差を体感
〔写真2〕2階で3種類の音を発生させ1階で差を体感
2階の床に重いボールを落下させているところ。この衝撃音を、1階の被験者が聞き取る。このほかに、パイプ椅子を引きずる音と、歩行音についても検証した
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軽量衝撃音で効果が大きい

 完成した実験棟は集合住宅の居室を模した2階建てで、A室とB室(共に約20m2)が一体となっている。A室は内装材の仕様の違いによる遮音性能を測定し、B室は構造躯体の違いによる影響を測定する。

 今回は、内装材の違いによる遮音性能に着目。B室は、厚さ210mmのCLTで1階と2階を区切っただけで、防音対策を講じていない。A室では、CLT(直交集成材)の上に支持脚で高さ80mmの空間をつくり、その上に厚さ20mmのOSBボード、同8mmの制震マット、同12mmの下地合板、同12mmのフローリング床を下から順に重ねて乾式二重床とした。1階の天井には厚さ12.5mmの石こうボードを2枚重ね、ツーバイシックス材の根太を設置。その間を断熱材で充填した二重天井とした。

 この条件で各部屋の2階で3種類の音を発生させ、1階に伝わる音の差を被験者が「大きな差を感じる」「多少の差を感じる」「差を感じない」の3つから選んだ〔写真3〕。歩行の音に関しては11人全員が「大きな差を感じる」と回答。重いボールでは「大きな差を感じる」が4人にとどまった。

〔写真3〕11人全員が歩行音で「大きな差を感じる」
〔写真3〕11人全員が歩行音で「大きな差を感じる」
11人の被験者全員が、歩行音で「大きな差を感じる」と回答した。一方、重いボールを落とした音については、「大きな差を感じる」のは4人にとどまった(写真:田口 由大)
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