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 大東建託は、2019年3月から小型軽量のビス留めロボット「D-AVIS(デービス)」の試行導入を実施している。D-AVISは、大工不足への対応や労働災害の撲滅などを目指し、同社とロボット開発を手掛けるエイチ・アイ・デー(北九州市)とが共同で17年から開発に取り組んでいるロボットだ。20年12月の実用化を目指す。

 D-AVISの高さは2.7mで、重量180kg。本体は作業用アーム、アームを支持する鉄骨フレーム、電源ボックス、可動式台座の4つのパーツからなる〔写真1〕。アーム先端の上部に設置した3次元カメラで、石こうボードと装置の位置関係を測定。作業を行うときには、造作大工が石こうボードを仮留めし、ロボットがビス留めする〔写真2〕。分解や組み立ては、10本のボルト脱着と配線作業だけで済み、2人の作業員で15分ほどで完了する。

〔写真1〕3秒間隔でビスを打ち込む
〔写真1〕3秒間隔でビスを打ち込む
タブレット端末に導入したプログラムに従って、約3秒間隔でビスを打ち込む(写真:大東建託)
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〔写真2〕高さを自在に調節
〔写真2〕高さを自在に調節
実際の作業では、造作大工が石こうボードを仮留めし、ロボットがビス留めする。ビス留めの高さは、アームの節点を回転して自在に調節できる。ロボットの重量は約180kgだが、100kgまで軽量化を目指す(写真:大東建託)
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 D-AVISで作業する際は、大東建託独自の現場管理システム「名監督システム」をタブレット端末などに導入し、画面上のプログラムに沿ってロボットを制御する。ビスの打ち込み間隔などは、あらかじめ同システムに登録されていて、それらの情報を赤外線通信でD-AVISに伝達する。

 端末の作業は以下の手順で進める。まずはタブレット上で名監督システムのトップ画面を開き、アパートの商品タイプを選択。続いて、作業フロアの平面図を開き、目的の部屋を指定する。部屋のどの部分にD-AVISを配置するかは、指で図面をタッチして指定する。障害物の有無や、電源コードの配線を確認してから「起動」ボタンをタッチ。約3秒間隔でビスを打ち付ける。

後を絶たないビス留めの事故

 同社がD-AVISの開発に取り組む背景には、住宅現場の人手不足がある。特に木造住宅の下地から仕上げまでを担う造作大工の若年層の減少は深刻で、同社の現場でも10~20代の造作大工は、12年度から18年度の6年間で約半数に減少した。

 労働災害の撲滅も目的の1つだ。住宅生産団体連合会の「平成29年低層住宅の労働災害発生状況報告」によると、職種別の労働災害は大工が約半数を占める。特に工具による労働災害発生率は、「釘打ち機(ビス留め)」が最も高い。

 今後、試行を重ねるなかで改善点や問題点を洗い出し、量産品の開発につなげる。同社は「将来のリース展開も視野に入れている」としている。