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 改正民法の2020年4月施行後、住宅会社と顧客との間で、施工の内容や品質を巡るトラブルが増える可能性が指摘されている。

 改正法は現行法の「瑕疵(かし)」に代えて、「契約の内容に適合しないもの」(契約不適合)という考え方を導入。契約で示した業務内容の範囲がよりシビアに評価されることで、契約上の曖昧さが住宅会社にとって、トラブルの際に責任を問われるリスク要因となりやすくなるからだ。

 住宅会社向けの第三者検査サービスをはじめとする住宅建築の総合的な技術コンサルティングを手掛けるネクストステージ(大阪市)は、こうしたニーズに着目。住宅会社に対してもともと展開してきた現場監督・技能者向け「標準施工手引書」作成サービスに、住宅会社が顧客との契約書に添付する「自社施工品質基準書」の作成をオプションメニューに加えた〔図1〕。メニュー化した19年2月から約2カ月間で、既に30社を超える依頼がある。

〔図1〕「自社施工品質基準書」のイメージ
〔図1〕「自社施工品質基準書」のイメージ
「自社施工品質基準書」のイメージ。ルーフィングの重ねしろ寸法など、施工許容値を記載することで、施工内容の範囲を顧客に明示することが目的だ(資料:ネクストステージ)
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 自社施工品質基準書に盛り込む内容は、例えば防水工事であれば、ルーフィングや透湿防水シートの留め付け方や重ねしろの許容値、捨て張り材の施工箇所、三面交点の施工内容などを、建物の部位や施工手順に沿ってきめ細かく示す。基礎などで生じるクラック幅の許容範囲を示す場合もある。

施工仕様を示しトラブル防止

 自社施工品質基準書の内容は、先行して作成する標準施工手引書をベースに、依頼した住宅会社と相談しながら重要なポイントを抜粋してまとめる。例えば寸法の許容範囲で、作業者によって一定のばらつきが生じやすい箇所などでは、標準施工手引書に対して自社施工品質基準書の記載内容をあえてやや“緩め”にするといった配慮も提案する。

 営業担当者などが説明して、顧客が理解できるように、図と短い文章で表現する点もポイントだ。全体の分量はA3用紙で約5ページを目安にしている。作成費用は、標準施工手引書が43万2000円(税込み)、オプションメニューの自社施工品質基準書は8万6400円(同)だ。

 ネクストステージの小村直克代表は、新サービスの狙いを次のように説明する。「自社の施工品質基準を事前に明確に定め、契約時に顧客によく説明して同意を得たうえで請負契約を結ぶことが、改正民法後のトラブル防止に欠かせない」。

 あらかじめ施工仕様を明確に示しておくことは、施工に関する際限ないクレームを断ち切ったり、引き渡し後のメンテナンスに対する有償・無償の線引きが容易になったりする、といった効果も期待できるという。