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 レオパレス21の問題を受けて国土交通省は、再発防止策を検討する「共同住宅の建築時の品質管理のあり方に関する検討会」(委員長:秋山哲一・東洋大学教授)を設置。特定行政庁間での違反情報の共有手法、工事監理や建築確認・検査制度の在り方などを検討し、提言を2019年夏にまとめる予定だ。

 同検討会は、同社の中間報告を受けて開いた19年3月25日の第2回会合で、工事監理の観点から課題を整理した。小屋裏界壁問題と天井部問題については、建築士による通常の工事監理が適切に行われていれば、施工者に修正指示がなされていた可能性があると指摘。その一方、界壁発泡ウレタン問題と外壁仕様問題については、工場でパネルとして組み立てられていた部材の隠れた部分が設計図書と不整合だったことに起因するものであり、工事監理者による通常の工事監理では修正指示が困難だったと分析した〔図1〕。

〔図1〕工場生産の規格化部材の工事監理に課題
〔図1〕工場生産の規格化部材の工事監理に課題
レオパレス21の施工不備のうち界壁と外壁について、国土交通省は工場でパネルとして組み立てられており、通常の工事監理では内部充填材の仕様の違いを見つけるのは困難だと分析した(資料:国土交通省の資料を基に日経 xTECHが作成)
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 そのうえで再発防止に向け、通常の工事監理の在り方をより明確にするとともに、規格化された工法・部材に対する工事監理の在り方について検討する必要があるとした。

賃貸アパート大手を実態調査

 国交省は、年間1000戸以上の賃貸共同住宅を供給する大手事業者を対象に、品質管理の実態調査を実施する方針だ。アンケート調査やヒアリング、工場などの現地調査によって、建築物の生産プロセスや工事監理の実態を把握する。

 構造計算書偽造事件を踏まえ、国交省は09年9月に工事監理ガイドラインを作成したが、その後も杭偽装問題や免震偽装問題など施工段階の不正が相次ぎ発覚。実効性のあるチェック体制の構築が課題だ。