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 新型コロナウイルスの感染拡大を契機に「在宅勤務」を導入する企業が急増し、幅広い業種・職種に新たな働き方が浸透した。そうした変化を住宅の顧客層はどう受け止めたか──。積水ハウスが2020年5月、20代から40代で子育て中の男女300人を対象に実施した調査の結果からは、顧客層の実感の一端がうかがえる。

 この調査は「在宅中の家での過ごし方」で、アンケート形式で実施した。在宅時間の増加で「ストレスが増えた」と答えたのは回答全体の60.7%。他方、テレワーク実施中の回答者で、「今後も在宅勤務を行いたい」と答えたのは86.4%だった。

 回答傾向では、慣れない生活にストレスを感じながらも、「時間の余裕が持てる」「家族とのコミュニケーションが増えた」など、在宅勤務のメリットを評価する声が多かった。

「防音性」「つながり」に配慮

 既に住宅会社では在宅勤務の広がりをニーズと捉えて提案に生かす動きが活発化している。大手では、大和ハウス工業がこの6月1日付で、在宅勤務用の空間として2タイプの居室プラン発表。リビングなど生活空間との適度なつながりを重視したプランが「つながりワークピット」〔写真1〕。間仕切り壁に室内窓を設置することなどで家族同士で気配を感じやすく、オンとオフの切り替えもしやすい点をアピールする。

〔写真1〕セミクローズドで家族の気配が伝わる
〔写真1〕セミクローズドで家族の気配が伝わる
大和ハウス工業の「つながりワークピット」。仕事と家事、育児の両立を意識したセミクローズドタイプだ(写真:大和ハウス工業)
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 これに対して、遮音性の高さと居室内での音の反響バランスの良さを狙ったプランが「快適ワークプレイス」〔写真2〕。ウェブ会議などの際にクリアな音声でやり取りできるという。

〔写真2〕遮音性と音響性能を重視したプランも
〔写真2〕遮音性と音響性能を重視したプランも
大和ハウス工業の「快適ワークプレイス」は、独自の防音仕様で遮音性に加えて、音響性能にも配慮。狭い空間でも音の反響を抑える(写真:大和ハウス工業)
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 ミサワホームのワークスペース提案「ミニラボ」は、作業効率化やセキュリティーの工夫を2.5畳程度の小空間に盛り込んだプラン〔写真3〕。リビングに隣接配置する設定は、仕事と家事の時間をやりくりしやすくするため。床は椅子のキャスターで傷付けないようにカーペットタイル仕様とし、家族の不意の出入りを防ぐためにドアは鍵付きにしている。

〔写真3〕仕事と家事のやりくりを楽に
〔写真3〕仕事と家事のやりくりを楽に
ミサワホームの「ミニラボ」。リビングの隣に配する設定で、仕事と家事の時間的なやりくりがしやすい。床はカーペットタイル仕上げ、ドアは施錠可能(写真:ミサワホーム)
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