現場で役立つ欠陥防止の勘所
目次
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築1年目の夏にカビや反り
夏場の壁内結露による被害の調査依頼が増えている。夏の結露は、冬に生じやすい窓などの表面結露よりも深刻な被害を伴いやすい。小屋裏や床下の外気を壁内に入れないことが大切だ。(日経ホームビルダー)
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貯湯タンクの固定方法が違う
貯湯タンクを固定するアンカーボルトの施工不良が多い。固定方法は告示で規定されている。機器のスペックに応じたアンカーボルトの種類や本数を守り、メーカーのマニュアル通りに施工する。
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スリーブ管と鉄筋が接触
基礎の鉄筋とスリーブ管の接触は、瑕疵保険の検査でも是正を強要されることがほとんどない。しかし、かぶり厚の不足は法令違反。かぶり厚を確保しやすい基礎の仕様に見直したい。(日経ホームビルダー)
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築6年でサイディングに反り
築6年の住宅で外壁の窯業系サイディングに反りやひび割れが多発した。原因は固定不良だ。サイディングを留め付けるクギが柱に届いておらず、部材の伸縮を抑えられなかった。
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上棟したら屋根勾配が逆向き
設計図書のミスが施工トラブルにつながることも少なくない。最終図面の確認を設計担当者だけに任せずダブルチェックするなど、設計図書のミス防止にもっと気を配るべきだ。(日経ホームビルダー)
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玄関の幅木に黒ずみが発生
カノムの長井良至氏が依頼を受ける住宅トラブルで最近、玄関の幅木に黒ずみが生じる不具合が増えているという。原因は外壁下からの水の浸入。豪雨を想定し、雨仕舞いを見直したい。
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基礎の鉄筋が波打っている
基礎工事を重視する建て主は多い。建て主が見ただけで分かる施工不備が相次ぐと、工事がストップすることもある。見られていることを意識した丁寧な施工を心掛けたい。(日経ホームビルダー)
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築10年目に壁内結露でカビ
夏季の結露とカビの調査依頼が2019年、急増したという。気温や湿度が近年、上昇傾向で小屋裏や床下に水蒸気がたまりやすくなった。気密や通気の施工では従来以上に注意が必要だ。
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壁に隠れた断熱材に隙間発見
安価なサーモカメラの普及で、壁に隠れた断熱材の隙間などを建て主から指摘される例が増えてきた。竣工後の補修は大掛かりになる。不備が生じやすい箇所は施工時に自主点検が必須だ。(日経ホームビルダー)
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床下の排水管が逆勾配
配管の施工不良は日常の生活に支障を来すので、建て主とのトラブルになりやすい。特に多い不備は排水管の逆勾配と配管の未固定。職人任せにせず、確実にチェックしたい。(日経ホームビルダー)
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床束の僅かな傾きに不満
床下を見る建て主はいないから、束の施工精度が多少低くても大丈夫―。そんな甘い考えは、最近の建て主には通用しない。僅かな傾きで是正を求められる場合もある。正しい施工と確認を心掛けたい。(日経ホームビルダー)
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ぬれた床合板の交換要求
躯体ぬれのクレームは雨の多い夏場に頻発する。「木材はぬれてはダメだ」と思い込んでいる建て主には丁寧な説明が必要だ。ぬれが軽微な段階での養生やぬれた後の乾燥も重要になる。
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住宅基礎のレベラー不備で引き渡し拒否
基礎天端を水平にするために採用が増えている、仕上げ材のレベラー。「構造に影響がないから」といい加減な対応で済ませようとすると、建て主からの信頼を失いかねない。剥離を防ぐ施工が重要だ。(日経ホームビルダー)
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浴室の床下は断熱の死角
省エネ性能を売りにする住宅が増え、建て主の関心も高まっている。そんな高断熱住宅の施工において、意外な死角となっているのが浴室の床下だ。断熱・気密ミスは暖かくない家を生み出しかねない。
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思い込みが招く垂直の狂い
壁や柱が傾いている住宅が増えている。経験の浅い大工の急増や、仕様が変化した影響だ。引き渡し後の是正工事は困難なので、組み立て時や躯体検査時に必ず確認しておきたい。
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甘いくぎ打ちで重い規定違反
耐力壁の施工時、面材にくぎをリズミカルに打ち込む光景をよく見る。だが、そこに落とし穴が潜む。告示やメーカーの仕様には、くぎの施工間隔の規定がある。不十分な場合、重大な欠陥になりかねない。
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くぎの打ち外しで信頼失墜
垂木や下地材の留め付けで、くぎを打ち損じることは珍しくない。構造に関わる部分であれば増し打ちなどで対処するのが一般的だ。この対応が雑だと、建て主に大きな不信を抱かせる羽目になる。
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図面に描かれた棟換気がない
小屋裏の湿気を逃がす重要な役目を担う換気部材の致命的な施工ミスが後を絶たない。図面に記載されている開口の未施工や、機能を発揮できない雑な施工が多いのだ。
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「ジャンカは再工事」と強く迫る
基礎に生じるジャンカは見た目の印象が影響して、建て主に大きな不安を与えやすい。ジャンカの程度と補修方法をきちんと建て主に説明するとともに、普段からジャンカ防止に注意を払いたい。