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設計図書のミスが施工トラブルにつながることも少なくない。最終図面の確認を設計担当者だけに任せずダブルチェックするなど、設計図書のミス防止にもっと気を配るべきだ。(日経ホームビルダー)

 改正民法が2020年4月に施行されて、「瑕疵」という言葉が「契約不適合」に変わった。法改正に対応して、施工マニュアルを整えた住宅会社も多いだろう。一方で、施工面に比べて設計図書のミス防止に気を配る住宅会社は少ないように感じている。今回は、設計図書が原因で発生した施工トラブルを紹介する。

 注文住宅を建築中の建て主A氏は、上棟日の夕方、家族と共に現場を訪れた。うれしい気持ちで施工現場のあちらこちらを見ていたとき、ある違和感を覚えた。2階に上がって屋根を見上げた際、その違和感の原因が分かった。片流れの屋根の向きが打ち合わせ時と逆に、南側へと勾配を取っていたのだ〔写真1〕。

〔写真1〕打ち合わせ時と逆向き
〔写真1〕打ち合わせ時と逆向き
A氏の依頼した注文住宅が上棟した際の現場。この状態を見てA氏は違和感を覚えた。屋根勾配が南向きで、打ち合わせ時と逆向きだったのだ(写真:カノム)
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 工事着手までの打ち合わせは約1年と長期に及んでいた。しかし、当初から北側へ勾配を取る図面で打ち合わせを重ねており、一度も屋根勾配の変更を希望していない〔図1〕。設計担当者から屋根の向きを変更したと聞いたこともなかった。

〔図1〕北向きの屋根勾配だった
〔図1〕北向きの屋根勾配だった
A氏の注文住宅で打ち合わせ時に示された外観イメージ。屋根は当初から北側へ勾配を取る図面で打ち合わせており、一度も屋根勾配の変更を希望していなかった(資料:カノム)
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