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基礎の鉄筋とスリーブ管の接触は、瑕疵保険の検査でも是正を強要されることがほとんどない。しかし、かぶり厚の不足は法令違反。かぶり厚を確保しやすい基礎の仕様に見直したい。(日経ホームビルダー)

 新築工事の配筋検査において、スリーブ管と鉄筋が接触している状態をよく見かける〔写真1〕。住宅建築の現場では慣習的に施工されており、瑕疵保険の検査などでも黙認されて是正を強要されることはほとんどない。ごく一部分の接触ならば影響が少ないと判断されているのだろう。

〔写真1〕スリーブまわりでかぶり不足
〔写真1〕スリーブまわりでかぶり不足
基礎の配筋検査において、外周の立ち上がり部分で主筋とあばら筋にスリーブ管が干渉していた。必要なかぶり厚を確保できていない(写真・資料:カノム)
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 施工者側で問題がないと判断しても、建て主によっては、かぶり確保の原則を守れと強く是正を求めるケースがある。

 鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚は、建築基準法施行令第79条で定められている。かぶり厚は、布基礎の立ち上がりで土に接する部分が最低40mm、土に接しない部分が同じく30mmだ。

 このかぶり厚を原則、確保しなければならない。建て主から不備を指摘されれば、納得できるように説明するのは難しい。

基礎の標準仕様を見直し

 スリーブ管と鉄筋の接触について私も昨年、大手ハウスメーカーが手掛ける現場の配筋検査で指摘した。しかし、瑕疵保険の検査などで事実上、黙認されているという現状も踏まえ、是正を求めなかった。

 その理由は、是正するには鉄筋を複数、継ぎはぎするか、配管計画を変更する必要があったからだ。狭い範囲で複数の鉄筋を継ぎはぎすることは構造的に好ましくない。配管計画の変更も設計自体を変えることになり、大掛かりな手戻りが生じるので、現実には不可能であった。

 だが、建て主は「接触を是正できないのならば配筋をやり替えろ」と強く抗議してきた。「是正すべき」とするネット上で読んだ情報を信頼して、私の意見を聞き入れず、工事が止まってしまった。

 その後も建て主は譲らず、ハウスメーカー側が折れる形で鉄筋や配管を是正し、工事を再開した。

 ハウスメーカーは、この件の後、基礎にスリーブ管を設けた場合でもコンクリートのかぶり厚を容易に確保できるように、基礎の標準仕様を変更した。他にも、スリーブを設けた場合のかぶり厚確保のため、基礎の標準仕様を見直す住宅会社が、大手を中心に増えている。

 各社がこぞって対策を進めるほど、スリーブ管と基礎の配筋に関するトラブルは多い。2020年4月の改正民法施行の影響もあり、建て主から指摘を受けそうな、こうした箇所はできるだけ減らしたいという思惑もあるようだ。