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(イラスト:柏原昇店)
(イラスト:柏原昇店)
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 富裕層向けの都市型住宅を展開している工務店のA社長は、デザイン力に自信があり、建築家のような緻密な設計で支持を得ていた。細かい性格のクライアントも多く、コンサルティング会社を経営するB氏はメールで打ち合わせの記録を残すことを希望。綿密なやり取りの後、プランはまとまり、契約に至った。

 現場が始まり、合板が張られたころ、B氏から連絡があった。駐車スペースの奥行きが足りないという。

 都市型住宅では敷地が狭いことが多く、A社長はいつも車種を確認したうえで、寸法を平面図に落として検討する。B氏の住宅でもその手順を踏んだ。寸法不足は考えにくいが、B氏と現場で確認することにした。

 当日、先に現場に着いたA社長が駐車スペースの寸法を測ると設計どおりで、やはり敷地内に車が収まるはずだ。B氏が到着し、A社長は採寸の結果を伝えた。