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(イラスト:高松 啓二)
(イラスト:高松 啓二)
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 「重要事項説明書に記してある『修繕積立金の増額が、管理組合で検討されている』という記述を消してもらえませんか」

 先日、筆者が中古マンションの売り主の仲介を担当した際、買い主の仲介会社からそんな要望を受けた。筆者は申し出を即座に断った。

 「それはできません。管理組合の議事録を見ると、修繕積立金を増額する議論が継続中で、あとは総会の決議を待つだけの状況です。買い主様にとって大事な情報ですし、販売用のチラシにも記載しています」

 しかし、買い主の仲介会社も簡単に引き下がらない。

 「お客様は価格、立地、間取りの全てを気に入っています。せっかくその気になっているのに、修繕積立金が増額になると知れば、買わなくなるかもしれません。そうなると売り主様も困るでしょう」

 このマンションは、今後3年ごとに修繕積立金を3割程度値上げし、9年後にほぼ倍額とする計画を進めている。確かに倍額となると、買い主が二の足を踏むかもしれない。仲介会社が心配するのも理解できる。しかし、値上げが予定されている事実を伝えなければ、後で大きなトラブルに発展する恐れがある。そう説得したら相手もようやく理解した。