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(イラスト:高松 啓二)
(イラスト:高松 啓二)
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 先日、筆者は東京都内に立つマンションの管理組合の理事会に、オブザーバーとして招かれた。議題は、機械式駐車場の維持管理に関する問題である。

 冒頭、マンションの管理会社の社員が次のように報告した。「ここ10年、利用者の減少で駐車場の収入が減り続けています。このままでは管理費か修繕積立金の一部を充当しなくてはなりません」

 それを聞いた管理組合の理事たちから「今後、入庫率が増える見込みはないのか」「入庫率を上げるために、使用料を安くしてはどうか」「どうせ使わないのなら、修繕費をかける必要はないだろう」といった意見が次々に飛び出した。

 それに対して、管理会社の社員は一つひとつ丁寧に回答した。

 「入庫率は今後ますます低くなると思います。仮に使用料を安くして満車にしても、収支は改善しません。それに、修繕を怠ると老朽化による故障や事故を招く恐れがあります」。それを聞いた理事たちは沈黙し、重苦しい空気が流れた。

 「あなたはどう思うか」。ここでオブザーバーとしての意見を求められた筆者は、正直に答えた。

 「将来を見越して、今のうちに機械式駐車場を撤去するのが最良の選択だと思います。撤去するには数百万円の費用がかかりますが、放置すれば不良資産化して長期にわたり収支を悪化させる恐れがあります。それは避けるべきでしょう」

 少し言い過ぎたと思ったが、理事の方々は、私の話に真剣に耳を傾けてくれた。居住者にとっては、それほど切迫した問題なのだ。

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