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(イラスト:高松 啓二)
(イラスト:高松 啓二)
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 どんなベテランでも、不動産調査に当たって決して忘れてはいけない鉄則が2つある。

 1つは思い込みをしないこと。もう1つは法律よりも現実が優先される場合があること。今回、筆者は2大鉄則を再認識する経験をした。

 以下は、遊歩道が建築基準法上の道路に当たるか否かをめぐり、自治体の建築指導課の職員と筆者との間で交わされた議論だ。自治体の担当者は困惑気味に語り始めた。

 「この道路も法律上は建基法42条1項1号の道路に該当しますが、実態は遊歩道です。車の出入りを許可できませんから、敷地内に駐車場を設けることはできません。それでも構わないのですか」

 「実際にそうするかはこれから考えます。それより、仮に建築確認申請を出したとき、確認が下りるかどうかを知りたいのです」

 「法律上は遊歩道が建基法上の道路に該当するのは間違いありません。建前としては建築確認を下ろせるかもしれません。ただ、実態としては紛れもなく遊歩道です。今の段階では確認を下ろせるかどうか明言できません。下ろさない対応もあり得ます」

 「えっ。建基法上の道路に該当するとおっしゃったでしょう」

 「法律が想定していないようなケースでは、実態を優先して考えざるを得ません」