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ひねり金物では小屋組み飛散

 千葉県内の被災地でしばしば目にしたのは、屋根が小屋組みごと吹き飛ぶ被害だ。台風15号の被害認定を弾力的に運用するように内閣府が通達した調査方法では、全壊もしくは大規模半壊に相当する壊れ方だ。

 館山市西川名地区の木造2階建て住宅は、海岸に面する側の窓ガラスが割れ、切り妻屋根の母屋と垂木が飛散した。小屋組みには接合金物を確認できなかった〔写真2〕。

〔写真2〕母屋と垂木ごと飛ぶ
〔写真2〕母屋と垂木ごと飛ぶ
館山市西川名地区に立つ築20年の木造2階建て住宅では、母屋と垂木が飛散した。接合金物は確認できなかった。海岸に面する側の窓ガラスも割れた(写真:早川 由紀夫)
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 建物の風上側に穴が開くと、屋根を外側に押す正圧と屋根を外側に引っ張る負圧が共に増し、接合強度の弱い小屋組みは飛散しやすくなる。

 金物で接合していた小屋組みが飛んだ例もある。鋸南町では軒先部だけにひねり金物を使用していた木造2階建て住宅と、接合金物で緊結した垂木と緊結していない垂木が混在する2階建て賃貸住宅それぞれの被害を確認した〔写真34〕。

〔写真3〕軒先部だけひねり金物
〔写真3〕軒先部だけひねり金物
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〔写真3〕軒先部だけひねり金物
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鋸南町岩井袋地区に立つ木造2階建て住宅では垂木と野地板が飛散。軒先部だけにひねり金物があった(写真:日経ホームビルダー)
〔写真4〕緊結なしの垂木が野地板ごと飛散
〔写真4〕緊結なしの垂木が野地板ごと飛散
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〔写真4〕緊結なしの垂木が野地板ごと飛散
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鋸南町竜島地区に立つ軽量鉄骨造2階建ての賃貸住宅。90cmピッチの太い垂木は金物で母屋と緊結しているが、その間の細い垂木は緊結せず、細い束にくぎ留めしていた(写真:日経ホームビルダー)

 小屋組みの接合方法に関する仕様規定は建基法にはない。住宅金融支援機構が木造住宅工事仕様書で、軒先部の垂木と桁をひねり金物で留める方法などを示しているだけだ。木構造に詳しい建築研究所の槌本敬大上席研究員は、「くぎ留めするひねり金物は引き抜きには効くが、せん断力には抵抗できない。垂木の断面寸法が小さいとくぎが縁切れするリスクもある。ガラスなどの割れで風圧力が増す場合に備えて、断面の大きい垂木の全箇所を、せん断に効くくら金物などで留めることを勧める」と話す。