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ブルーシート敷設を総出で

 台風15号の被災地では、損壊した屋根にブルーシートを敷設する作業員の不足が深刻な問題になっている。その解決に向けて地元の施工会社が支援を求めたり、ボランティアや建設関連の事業者などが意欲的に取り組んだりしている。

 佐々木建築(館山市)は土のう袋に砂を詰める作業の支援を建て主やボランティアにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で呼び掛けた。高所と低所の作業を分業して、効率を上げるためだ。素人などが張った後に風で飛んでしまったシートの張り直し作業にも応じる。同社の大工職、佐々木義将氏は、「ブルーシートは覆った箇所が見えなくなり、その後の被害調査や修復作業の危険性が増す。覆っていても状態が外から分かる透明なシートを開発してほしい」と訴える。 

 福原建築(南房総市)の福原功太取締役はSNSで、支援物資の提供だけでなくボランティアも募り、多数の協力を得た。シート敷設のノウハウを持つNPO法人災害救援レスキューアシスト(大阪府茨木市)から施工方法を学び、高所作業のできるボランティアと協力しながら自社だけでは賄い切れない数の敷設作業に当たっている〔写真15〕。

〔写真15〕地元工務店とボランティアが連携
〔写真15〕地元工務店とボランティアが連携
災害救援レスキューアシストが考案した、ダンボールを防水シートで覆った「アシスト瓦」で、福原建築が応急修理している様子(写真:福原建築)
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 災害救援レスキューアシストの中島武志代表理事はいち早く被災地に入り、社会福祉協議会や自衛隊、消防士などと連携して支援活動を行った。シートの敷設ができる作業員の育成やシートだけに頼らない効果的な張り方の普及にも取り組んでいる。

 各県の建設業協会では、支援を名乗り出た会員企業の社員や職人を、シート敷設作業員として被災地に派遣している。人件費や材料費は会員企業が負担する。国土交通省関東地方整備局の要請で実施した、これまでにない支援活動だ。

 碧南窯業では瓦工事を専門としない職人向けに、被災した瓦屋根の初期対応マニュアルを作成。同社のホームページで公開した〔写真16〕。 

〔写真16〕瓦被害の初期対応マニュアル
〔写真16〕瓦被害の初期対応マニュアル
瓦屋根被害の初期対応マニュアルで紹介しているシート面積を減らす方法の例。碧南窯業のホームページからダウンロードできる(写真:碧南窯業)
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