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 下階よりも上階が突出したオーバーハング部分の換気口部分は、防火上の弱点にならないか──。法令で明確に規定されていないこの疑問について、建材メーカーの城東テクノが実験で確認した〔写真1〕。木造の防耐火に詳しい桜設計集団代表の安井昇氏が監修している。

〔写真1〕通気工法の影響を実験で探る
実験終了後の試験体3の様子。外装材が剥がれ落ち、断熱材が溶けている。一方、屋内側は実験終了まで燃焼には至らなかった(写真:城東テクノ)
実験終了後の試験体3の様子。外装材が剥がれ落ち、断熱材が溶けている。一方、屋内側は実験終了まで燃焼には至らなかった(写真:城東テクノ)
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外壁通気工法を模した試験体を実験用の炉に取り付ける様子(写真:城東テクノ)
外壁通気工法を模した試験体を実験用の炉に取り付ける様子(写真:城東テクノ)
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 外壁通気工法を採用した住宅の場合、軒裏やオーバーハング部など下階の外壁から突出した部分に換気口を設ける例は少なくない。この部分は、防火上の弱点になりやすいという指摘がある。換気口の存在によって防火被覆の連続性が損なわれ、そこから通気層内に炎や熱が進入すると考えられるからだ。

 軒裏に設ける換気口には、国土交通大臣認定を受けた防火認定品を使えば対策は可能だ。ところが、オーバーハング部から外壁を立ち上げてバルコニーや居室を設ける場合には、適切な認定や認定品が存在しない。

 防火地域や準防火地域に住宅を建てる場合、オーバーハング部にも軒裏と同様に延焼防止措置が要る。にもかかわらず、建築基準法ではこれらの部分における換気口の仕様を具体的に規定していない。延焼防止措置が適正か否かは、建築主事などの判断に委ねられている。