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隙間をなくし線や面で留める

 台風19号の通過から2日がたっても、飛んだブルーシートが電柱や電線に巻き付いている様子が見られた。通電していると漏電が発生し、感電事故や火災を招きかねない状況だった〔写真10〕。風の吹き寄せ方が15号と異なったため、「屋根材の飛散や雨漏りが新たな箇所で発生した」という声も、住民から聞かれた〔写真11〕。

〔写真10〕シートが電柱に巻き付く
〔写真10〕シートが電柱に巻き付く
台風19号が通過した翌13日の朝に撮影した鋸南町岩井袋地区。破れたブルーシートが、住宅につながっている電線と電柱に巻き付いている(写真:福原建築)
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〔写真11〕新たな雨漏りが発生
〔写真11〕新たな雨漏りが発生
鋸南町竜島地区に立つ住宅は、窓の庇(写真の赤丸)の上から新たな雨漏りが発生していた。台風15号では雨漏りしなかった箇所だ(写真:日経ホームビルダー)
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 被災地で観察した範囲では、ブルーシートなどの剥がれ具合に施工方法による差が見られた。著しく剥がれたのは、土のうやロープで大判のブルーシートを留めていたケースだ。これに対して、胴縁でブルーシートの四周と中間部を留めていた現場は、飛散を免れていた。「土のうは “点”で留めているので、風が吹き込む隙間が多くなり、剥がれやすい。胴縁を使って“線”や”面”で留めることが飛散や剥がれを防ぐポイントだ」と福原建築の福原取締役は話す〔写真12〕。

〔写真12〕四周を留める
南房総市に立つ化粧スレートぶきの住宅。福原建築が台風15号の被災箇所の応急処置を頼まれていた。胴縁で四周と中間部を留めていたブルーシートは飛散しなかった(写真:日経ホームビルダー)
南房総市に立つ化粧スレートぶきの住宅。福原建築が台風15号の被災箇所の応急処置を頼まれていた。胴縁で四周と中間部を留めていたブルーシートは飛散しなかった(写真:日経ホームビルダー)
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ロープと土のうで留めるだけでなく、防水テープで四周の隙間を塞いでいたブルーシートの住宅。台風19号で剥がれなかった。鋸南町で撮影(写真:日経ホームビルダー)
ロープと土のうで留めるだけでなく、防水テープで四周の隙間を塞いでいたブルーシートの住宅。台風19号で剥がれなかった。鋸南町で撮影(写真:日経ホームビルダー)
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 粘着力の強い防水テープでシートの四周を張っていたケースも、剥がれにくかった。佐々木建築の佐々木氏は、「シートを密着させて風が入らないようにすることが不可欠だと確認できた」と話す。瓦ぶきの屋根は、胴縁を留めるくぎを瓦の上から打つことができないので、防水テープでシートを留める方法は実用的で効果が見込めるという。

 佐々木氏は、台風15号の応急処置で小範囲の損傷箇所にはアスファルトルーフィング材をカットして、防水テープで張っていた。その施工現場は19号での飛散を免れていた〔写真13〕。「防水シートはブルーシートよりも必要な寸法にカットがしやすい。この他にも、雨の浸入を一時的に抑える簡易な方法があれば教えてほしい」と佐々木氏は助言を求めていた。

〔写真13〕アスファルトルーフィング材で覆う
〔写真13〕アスファルトルーフィング材で覆う
佐々木建築が瓦の飛んだ被災箇所をアスファルトルーフィング材で覆い、四周を防水テープで隙間を塞いでいた住宅。台風19号で剥がれなかった(写真:佐々木建築)
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