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床を段違いに配置するスキップフロアの空間は魅力的だが、構造上の弱点になりやすい。地震によって生じる揺れが段差の両側で異なり、構造体の一部に大きな力がかかるからだ。弱点を理解したうえで、地震に強いスキップフロアを設計できるようにしたい。

 あなたの家づくりでは、無防備にスキップフロアを取り入れていないだろうか。あるいは、「地震に弱いから」といって最初から採用をあきらめていないだろうか。実は、どちらの対応も誤りだ。

 スキップフロアは、魅力的な設計手法の1つといえる。天井高に変化を与えながらスペースを緩やかに区分したり、階高の差を利用して収納空間として用いたりと、多彩な活用が可能だ。建て主が階段周りの掃除やバリアフリー面でのデメリットを気にしなければ、豊かな生活空間を生み出すアイテムになる。

 ただ、闇雲にスキップフロアを採用してしまうと、大地震時に躯体の破損を招く危険性がある。大げさだと思われるかもしれないが、柱が折れる恐れがあるのだ〔図1〕。構造上の弱点を理解したうえで、適切な措置を講じて設計することが何よりも大切だ。

〔図1〕地震に弱いスキップフロアは配慮不足のせい
〔図1〕地震に弱いスキップフロアは配慮不足のせい
何も考えずにスキップフロアを採用すると、地震の際に段差周りに大きな力が加わり躯体が破損する可能性がある。構造に配慮した適切な設計が欠かせない(イラスト:kucci)
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