築古住宅を新築と競っても引けを取らない高性能水準に改修──。建築から数十年を経ていても、省エネ計算に基づく設計で断熱・気密を刷新し、最先端の省エネ性能を備える現代的スペックのすまいに仕立て直すことができる。各地の先進的な改修例から3ケースをピックアップして紹介する。

連載
築30年超の古家を省エネ改修
目次
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市場評価を見据えて性能向上
設計: 納谷建築設計事務所 施工: 青木工務店
西向きに開いた下屋の上に、大きな屋根が載っている。深い軒は1階の居室に西日が入り込むのを遮りつつ、室内と庭とを緩やかに結び付ける。屋根の上には野芝を植え、断熱効果を期待する。
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古材をまとった高性能平屋
設計: リビルディングセンタージャパン 施工: スワテック建設
築50年の民家を改修した「リビセンエコハウス」(長野県諏訪市)は、古さと新しさが共存している。少しずつ色合いの異なる古材のフローリングやむき出しになった既存の柱梁などが、質感のある室内空間を構成している。それらを包む外皮の平均熱貫流率(UA値)は、HEAT20のG2グレードを大幅に超える0.27W…
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新築で培った“標準”を改修でも
設計・施工: エコワークス
熊本市の「保田窪の家」は設計者の自邸だ。妻の祖父が暮らしていた家を譲り受けて改修した。目指したのは、「現在の新築住宅と同等の性能を満たす改修」(設計を担当した清水洋平氏)だ。