住宅会社としてどんな建材・設備を選ぶか―。その選択は、居住者の快適性や安全性を大きく左右する。例えば、温暖地でトリプルガラスの樹脂窓を標準仕様にし、顧客の満足度を高めている地域密着型の住宅会社がある。この先、どんな製品が顧客の支持を広げ、主流になるのか。省エネ、構造、雨仕舞いの3分野で新潮流を探った。併せて、住宅の専門家1302人が選んだ「採用したい建材・設備メーカーランキング」の調査結果を掲載する。

採用したい建材・設備メーカーランキング2019
乗り遅れるな! 建材・設備の3大潮流
目次
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温暖地でもトリプルを標準に
乗り遅れるな! 建材・設備の3大潮流
健康住宅(福岡市)住宅の窓に、トリプルガラスが徐々に浸透し始めている。YKK APのトリプルガラス樹脂窓の売り上げは、5年間で約4.7倍に拡大。寒冷地だけでなく、九州地方など温暖な地域でも普及の兆しが見え始めている。
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寒冷地でも大開口が可能に
乗り遅れるな! 建材・設備の3大潮流
アオキ住建(新潟県上越市)トリプルガラスの導入効果が特に大きいのは、やはり寒冷地での採用だ。新潟県上越市の住宅会社、アオキ住建は、同社が運営する「ふたば保育園」の窓にLIXILの「TOSTEM LW」を採用した。
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水害や防犯にも“トリプル効果”
乗り遅れるな! 建材・設備の3大潮流
一条工務店(東京都江東区)大手住宅会社の一条工務店(東京都江東区)は、トリプルガラスの樹脂窓を全国一律の標準仕様にしている。同社の仕様は、断熱性能だけでなく、耐水圧性能の確保や防犯対策にも力を入れている点が特徴だ。
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狭小地でも手軽に大開口
乗り遅れるな! 建材・設備の3大潮流
「1階にビルトイン式の車庫を設けたい」。建て主がそう要望したらどうするか。普通なら開口部を門形フレームにするところだが、計算が複雑でコストがかかる。ここで紹介するのは、もっと手軽に大開口を実現する方法だ。
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「木の塊」で外力に抵抗 目からウロコの画期的な技術
乗り遅れるな! 建材・設備の3大潮流
BXカネシンのベースセッターを見た時、「この手があったか」と目からウロコが落ちる思いがした。従来になかった発想によって、狭小敷地の大開口を実現する画期的な技術だ。一見すると地味な技術なので、設計事務所や住宅会社の技術者には良さが伝わりにくいかもしれないが、設計の幅を大きく広げる可能性を秘めている。
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天端にビス穴を開けない
乗り遅れるな! 建材・設備の3大潮流
手すり壁やパラペットの笠木まわりは、雨水が最も浸入しやすい場所の1つだ。最大の原因は、笠木固定用の金具を留める際に下地木材の天端にビス穴を開けること。そこで考案されたのが、ビスを天端から打たずに側面から打つ板金笠木だ。
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手すりなど2分野で首位交代
工務店や住宅メーカーなどに勤務する専門家、1302人に住宅関連の建材・設備メーカーの採用意向を分野別に調査。33分野の結果をまとめた。各分野の上位企業の顔ぶれに大きな変動はなかったが、「手すり」と「建具などの金物」の2分野で首位が交代した。