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住宅の窓に、トリプルガラスが徐々に浸透し始めている。YKK APのトリプルガラス樹脂窓の売り上げは、5年間で約4.7倍に拡大。寒冷地だけでなく、九州地方など温暖な地域でも普及の兆しが見え始めている。

 「4年前、トリプルガラスを当社の標準仕様にしてから、お客様の満足度が飛躍的に向上した」

 そう話すのは福岡市に拠点を置く住宅会社、健康住宅の畑中直社長だ。同社は、2015年にトリプルガラスの樹脂窓を標準仕様にした。サッシは、YKK APとエクセルシャノンの2社から調達している。

建て主は「冬がとても暖かい」

 トリプルガラスは北海道や東北地方など、寒冷地に導入されるイメージが強い。温暖な福岡で導入するメリットはあるのか。

 畑中社長は「福岡県の北側は玄界灘に面しているので、冬季は意外と寒い」と前置きしてこう話す。

 「私は住宅の引き渡しから約1カ月後に、必ずお客様に会って住み心地を尋ねている。トリプルガラスを標準にしてから『冬がとても暖かい』「夏の冷房がよく効く」といった感想が目立って増えた」(畑中社長)

 同社は、19年5月に福岡市内の住宅街に、トリプルガラスの樹脂窓を導入したモデルハウスを建設した。築36年の木造住宅を買い取って改築したものだ〔写真1~3〕。

〔写真1〕大開口の掃き出し窓にもトリプルガラス
〔写真1〕大開口の掃き出し窓にもトリプルガラス
福岡市内に拠点を置く健康住宅が、19年5月に市内の住宅街に建設したモデルハウス「橋本の家」。大開口の掃き出し窓にも、トリプルガラスの樹脂窓を採用している(写真:日経ホームビルダー)
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〔写真2〕断熱性能は改修前の4倍以上に向上
〔写真2〕断熱性能は改修前の4倍以上に向上
「橋本の家」は、築36年の木造住宅を改築したモデルハウス。窓や玄関ドアなどの開口部に高断熱の製品を導入したことなどで、外皮全体の断熱性能は改築前の4倍以上に高まった(写真:健康住宅)
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〔写真3〕2階の縦すべり出し窓にも採用
〔写真3〕2階の縦すべり出し窓にも採用
2階の洋室。縦すべり出し窓を南面に3カ所、西面に2カ所、北面に2カ所設けている。いずれもトリプルガラスの樹脂窓だ(写真:日経ホームビルダー)
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〔図1〕板厚3mmのLow-Eガラスをダブルで
〔図1〕板厚3mmのLow-Eガラスをダブルで
APW430の一般的な構造。屋外側と屋内側の2枚をLow-Eガラスとし、アルゴンガスを封入した厚さ16mmの空気層を2層設けた。引き違い窓の場合、空気層の厚さは12mmになる(資料:YKK AP)
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 改築前はアルミサッシと単板ガラスだったが、これをYKK APの「APW430シリーズ」に変えた。樹脂窓で、屋外側と屋内側の2枚を板厚3mmのLow-Eガラスとし、アルゴンガスを封入した厚さ16mmの空気層を2層設けている。U値(熱貫流率)は0.90W/m2・Kだ〔図1〕。

 玄関ドアには同社の「イノベストD50」(U値は1.22W/m2・K)を採用。開口部まわりの断熱性能を強化したことで、建物全体の外皮の断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)は改修前の1.88W/m2・Kから0.44W/m2・Kに改善した。