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 2019年の台風15号が大きな被害をもたらした千葉県の海岸沿いでは、比較的新しい戸建て住宅の金属系サイディングが隅角部で剥がれる被害が確認された〔写真1〕。劣化は見られないことから、強風で仕上げ材が剥離して風の渦が巻くことによる強い負圧の影響だとみられる。

〔写真1〕隅角部が剥がれる
〔写真1〕隅角部が剥がれる
千葉県南房総市に立つ比較的新しい住宅では、金属系サイディングが隅角部で剥がれた。強風による典型的な外装材の被害だ(写真:大菅 力)
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 サイディングの耐風圧性能は、製品や仕様でかなり異なる〔図1〕。窯業系のくぎ留め工法は安全率を見込んだ負圧の値で3495Paと比較的高い。一方、金属系はニチハの標準工法が1200から2942Pa、ケイミューが同じく1633Paと1867Paなど。いずれも安全率を見込まない破壊時の値を示す。金属系はサイディングの片側をくぎやビスで留めて、もう片側を隣のサイディングにかん合することなどが、性能に影響していると思われる。

〔図1〕サイディングの耐風圧性能
〔図1〕サイディングの耐風圧性能
全て木胴縁の間隔が500mmの場合の値。( )内に記載した寸法の単位はmm。※1は日本窯業外装材協会が示した数値。安全率1.6で計算。※2はニチハ、ケイミューが示す数値。安全率1.6で計算。※3は試験による破壊時の測定値。安全率を見込んでいない(資料:日経ホームビルダー)
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 写真の住宅で壁面の隅角部が受ける負の風圧力を建設省告示1458号の計算式で算出すると、2階建てでは1662Pa、3階建てでは1846Paになる(基準風速が38m/sで地表面粗度区分II)。金属系の標準工法だと、製品によっては強度不足になる恐れがある。風の強い場所に立つ住宅では、サイディングの性能確認が欠かせない。