全1609文字
PR

住宅リフォームで生じるトラブルの実態を全国の住宅実務者210人に尋ねた。顧客からの不満やクレームで多いのは、イメージの相違や養生不足によるもの。ほぼ全ての実務者が、そうしたクレームによる手直しの追加費用を自社で負担していると回答。トラブルを防ぐうえで基本となるのは、顧客とのコミュニケーションの徹底だ。

 住宅リフォームでのトラブルに関して、日経ホームビルダーは全国の住宅実務者に対してアンケート調査を実施。実務者210人から回答を得た。

 下のグラフは、過去5年以内の工事でトラブル経験があるかどうかを尋ねた結果だ〔図1〕。「よくある」と回答した実務者はほとんどいないものの、約3分の2の実務者は「ときどきある」と回答し、顧客から何らかの不満やクレームを受けていた。

Q 過去5年以内に実施した住宅リフォーム工事で、顧客から不満やクレームを受けたことがあるか?
Q 過去5年以内に実施した住宅リフォーム工事で、顧客から不満やクレームを受けたことがあるか?
〔図1〕勤務先で過去5年以内に手掛けた住宅リフォーム工事について尋ねた。「よくある」と回答した実務者は1%に過ぎないものの、「ときどきある」が約3分の2に上る(資料:日経ホームビルダー)
[画像のクリックで拡大表示]

 集計に当たっては、勤務先が人口密度の高い7都府県(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)の回答者を「都市部」、それ以外の道府県を「都市部以外」と区分。トラブル経験の有無は、都市部以外の方が都市部よりわずかだが多かった。

 勤務先が直近5年間に手掛けた住宅リフォーム工事の実績としては、約4割の実務者が50件以上と回答。勤務先が20件以上、手掛けている実務者の割合は過半に上る〔図2〕。

Q 過去5年以内に手掛けた住宅リフォーム工事の件数は?
Q 過去5年以内に手掛けた住宅リフォーム工事の件数は?
〔図2〕勤務先が手掛けた住宅リフォーム工事のおおまかな件数を尋ねた。「不明」は回答者自身が把握していない場合に選んでもらった。回答者の勤務先の従業員数は、3人以下が36.7%、4~9人が23.8%、10~19人が11.9%と続く。10人未満が回答者全体の6割超を占める(資料:日経ホームビルダー)
[画像のクリックで拡大表示]

 顧客から受けた不満やクレームの内容を実務者に尋ねると、「施工ミスはないがリフォーム箇所に関する不満・クレーム」との回答が最も多かった〔図3〕。「ここも直してもらえると思った」「思っていた色と違う」といったように、顧客とのイメージの相違に起因するトラブルだ。

Q 不満やクレームの内容は?(複数回答)
Q 不満やクレームの内容は?(複数回答)
〔図3〕勤務先が住宅リフォーム工事で顧客から不満やクレームを受けたことがあると回答した実務者に複数回答で尋ねた。リフォーム箇所の施工ミス自体よりも、完成イメージの相違や養生不足などに起因するトラブルが多い(資料:日経ホームビルダー)
[画像のクリックで拡大表示]

 次いで多かったのは、「工事に伴って生じたリフォーム箇所以外の不具合」。例えば、養生不足がトラブルにつながったケースだ。3番目には、「リフォーム箇所での施工ミスによる不満・クレーム」が続いた。

 クレームを受けたリフォーム工事の箇所としては、上位に「風呂・洗面所」「キッチン」「トイレ」と水回りが並んだ〔図4〕。リフォームの件数自体が多いことに加え、使い勝手に直結するので不満につながりやすいのだろう。目に触れる機会が多い「リビング」や「外壁」もクレームが多い。

Q クレームを受けたリフォーム工事の箇所は?(複数回答)
Q クレームを受けたリフォーム工事の箇所は?(複数回答)
〔図4〕不満やクレームの内容(図3)で、「施工ミスはないがリフォーム箇所に関する不満・クレーム」「リフォーム箇所での施工ミスによる不満・クレーム」と回答した実務者に複数回答で尋ねた。「風呂・洗面所」「キッチン」「トイレ」と水回りが上位に並ぶ(資料:日経ホームビルダー)
[画像のクリックで拡大表示]

 リフォーム箇所以外のクレーム箇所では、「リビング」と「廊下」が多かった〔図5〕。リフォーム箇所への動線となり、養生トラブルが生じやすい。「都市部以外」では幅広い箇所でクレームを受けている様子がうかがえる。

Q リフォーム箇所以外でクレームを受けた箇所は?(複数回答)
Q リフォーム箇所以外でクレームを受けた箇所は?(複数回答)
〔図5〕不満やクレームの内容(図3)で、「工事に伴って生じたリフォーム箇所以外の不具合」と回答した実務者に複数回答で尋ねた。リビングや廊下など、玄関からリフォーム箇所への動線となり得るスペースでクレームが多い(資料:日経ホームビルダー)
[画像のクリックで拡大表示]