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修繕費用を抑えて早く自宅での生活を再開するためには、既存部材をできるだけ有効活用したい。「板材を一部残す」「システムバスを洗浄して再利用する」「住みながら乾かす」などの工夫を紹介する。

POINT1 床仕上げ工事
床勝ち工法は壁際を残す

 妹尾建設(岡山県倉敷市)は床上浸水したフローリング仕上げの床を解体して一部を再利用し、安価で素早く床を張り替える工事に取り組んだ。工費は約33m2で41万5000円。フローリングを新しく張り替える場合の6割以下に抑えられた。

 既存住宅は床下が狭く、人の入れない高さだった。床下地材や断熱材を取り払って床下を乾かすには、床を解体するしかなかった。

 床は下地合板を先行施工する床勝ち工法でつくられていた。コストを下げる工夫の1つは、間仕切り壁から約30cmまでの部分で、フローリングと下地合板、床下断熱材を残した点だ〔写真1〕。

〔写真1〕壁際から30cm分を残す
〔写真1〕壁際から30cm分を残す
間仕切り壁から約30cmまでを残して床材を取り除いた状態。一般的な丸鋸で施工できる(写真:妹尾建設)
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 床勝ち工法では、間仕切り壁を残したままその下にある床の下地合板だけを撤去する作業は極めて難しい。間仕切り壁の際ぎりぎりまで下地合板を取り除こうとすれば、特殊工具が必要になる。間仕切り壁から約30cmまでを残すことで、この手間を大幅に省いた。

 2つ目の工夫は、30cm分残したフローリングの上に、安価な塩ビ製のウッドタイルを重ね張りしてコストを抑えたこと〔写真2〕。床下地合板を取り除いた部分には合板を継ぎ足した。取り除いたポリエチレンボードの床下断熱材は、洗浄して再利用した。これもコスト削減に寄与している〔写真3〕。

〔写真2〕安価なウッドタイルを仕上げ材に用いる
床下地合板を取り除いた部分に合板を継ぎ足した状態(写真:妹尾建設)
床下地合板を取り除いた部分に合板を継ぎ足した状態(写真:妹尾建設)
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塩ビ製のウッドタイルを張って仕上げた状態。合板を継ぎ足した部分はパテ処理を施した(写真:妹尾建設)
塩ビ製のウッドタイルを張って仕上げた状態。合板を継ぎ足した部分はパテ処理を施した(写真:妹尾建設)
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〔写真3〕既存のポリエチレンボードを再利用
〔写真3〕既存のポリエチレンボードを再利用
床下を乾燥させるために一旦取り除いた断熱材を、洗浄・乾燥して再施工した(写真:妹尾建設)
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