今号から雨漏り連載は、装いを新たに再スタートする。講師を務めるのは屋根工事会社、神清の神谷昭範常務。昨今の雨漏りトラブルの傾向を分析したうえで、新たな対策を指南する。(日経ホームビルダー)
今号から新連載の執筆を担当することになった。昨今の雨漏りトラブルの動向を踏まえつつ、効果的な対策を読者と一緒に考えたい。
筆者は、屋根材の製造や設計・施工をはじめ雨漏りの調査や修理を手掛けるなかで、昨今の雨漏りトラブルを巡る状況が一昔前と様変わりしたと感じている。
トラブルの新しい傾向として3つのポイントを指摘したい〔写真1〕。1つは、軒の出の小さい「軒ゼロ住宅」の流行で雨漏りリスクが増大していること。2つ目は、高気密住宅が普及したことに伴い、結露トラブルが表面化してきたこと。そして3つ目は、近年の異常気象の影響で、想定外の大型台風が頻発し、屋根材の飛散が相次いでいることだ。
これらは、2000年代以降に顕著になった比較的新しい傾向と思われる。本連載はこうした時代状況を踏まえた内容構成にしたい。以下、3つのポイントを詳しく解説する。