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片流れ屋根は雨漏りを招きやすい。雨漏りトラブルを屋根の形状別に分類すると、全体の7割以上を片流れ屋根が占める。その理由と対策を筆者が実例に即して解説する。(日経ホームビルダー)

 今回は築3年の木造平屋住宅で発生した雨漏りトラブルを取り上げる。2つの片流れ屋根が平面形状で90度に交差し、それぞれの屋根材にガルバリウム鋼板(溶融アルミ亜鉛メッキ鋼板)を使用した住宅だ〔写真1〕。この屋根の棟部から雨水が浸入し、室内での雨漏りを引き起こした。

〔写真1〕築3年の片流れ屋根の住宅で雨漏り被害
〔写真1〕築3年の片流れ屋根の住宅で雨漏り被害
雨漏り被害に遭ったのは、築3年の木造平屋建て住宅。ガルバリウム鋼板の片流れ屋根が、90度の角度で2方向から交差していた。台風の来襲時に、1階の天井付近で雨漏りが発生。筆者は、住まい手から雨漏りの原因調査を依頼された(写真:神清)
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 片流れ屋根の雨漏りトラブルは、非常に多い。住宅瑕疵担保責任保険法人などの調査によれば、雨漏り被害を屋根の形状別に分類すると、7~8割程度を片流れ屋根が占めるという。特に、金属屋根材を採用した片流れ屋根の棟部からの浸水が多い。ここで紹介するのは、その典型的なトラブル例である。