「雨漏りじゃない、結露だ」。屋根断熱では、「軒先の吸気口」「通気層」「棟部の排気口」の3つが結露防止の必須条件。棟部の排気口を設けなかったばかりに、深刻な結露被害を招いた事例を紹介する。(日経ホームビルダー)
今回は、南面に太陽光パネルを設けた住宅で、屋根の野地板に結露が発生した事例を紹介する。
住宅は築16年の木造2階建てで、屋根材に平板瓦を使用。屋根の形状は切り妻屋根で、南面に太陽光パネルを設置し、北面に天窓を設けていた〔写真1〕。断熱仕様は天井断熱と屋根断熱の併用で、グラスウールを使っていた。
室内での結露を発見したのは、太陽光パネルの点検会社だ。太陽光パネルの定期点検で小屋裏に入ったところ、水垂れを発見したという。「これは雨漏りではなく結露水。放置すると屋根が腐るので早く直した方がいい」と住まい手に補修を提案。平板瓦を降ろして、ガルバリウム鋼板(溶融アルミ亜鉛メッキ鋼板)にふき替えるよう勧めた。
住まい手は、結露なのになぜ屋根のふき替えが必要かと点検会社に不信を抱き、客観的な立場から調査をしてほしいと筆者に依頼してきた。