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開口部まわりの防水紙の納め方は、雨仕舞いの勘所。今回の住宅では、防水紙とサッシのつばを接着する防水テープを施工していなかった。この欠陥施工が15年も続く雨漏りの原因になった。(日経ホームビルダー)

 今回は、窯業系サイディング材の外壁の隙間から雨水が浸入した事例を紹介する。

 トラブルを抱えていたのは築15年の総2階建ての木造住宅だ。瓦ぶきの切妻屋根で、軒の出は50cm程度だった。一見、雨漏りが発生しにくい条件を備えた外観だが、住まい手によれば、新築当初からずっと雨漏りに悩まされているという。

 雨漏りの発生場所は東に面した1階の和室だ。障子の鴨居から水がポタポタと落ち、最近特にその頻度が増えているという〔写真1〕。家を建てた住宅会社に修理を依頼したが、シーリング材を充填しただけで、雨漏りは止まらなかった。

〔写真1〕新築から15年、一向に止まらない雨漏り
(写真:神清)
(写真:神清)
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(写真:神清)
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今回の舞台は、築15年の総2階建ての木造住宅。瓦ぶきの切妻屋根で、外壁は窯業系のサイディング材だ。東面の1階和室で、障子の鴨居から水が垂れている。住まい手によると、新築当初から雨漏りに悩まされ続けているという

 症状が改善しなかったのは、施工上の欠陥を抱えているからではないか。筆者はそう予測した。