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 中規模の木造建築では、建築法規上の扱いで一般的な木造戸建て住宅(4号建築物)と異なる点が生じる。防耐火や避難など、対象外だった規定が課されるケースが増えるからだ。どのような点に気を付けるべきか、指定確認審査機関のビューローベリタスジャパン(横浜市)の海老名剛・建築確認審査部審査部長に、留意点を聞いた。

面積や用途で規定が厳しく

 建築基準法の規定の多くは床面積、高さ、階数などの「規模」や、建物の「用途」に応じて決まる。例えば床面積が大きくなるほど、防火地域や準防火地域ではより耐火性能の高い建築物にする必要が生じ、2以上の直通階段の設置が求められる場合が出てくる。床面積に応じて内装制限や小屋裏の隔壁、防火や排煙の区画、敷地内通路なども措置対象になる〔図1〕。

〔図1〕床面積が増えると規定も増える
〔図1〕床面積が増えると規定も増える
床面積に応じた建築基準法の規定の例。★印は除外や緩和の条項がある。500m2を超えると構造計算が必要。床面積のほかにも「建物用途」「高さ」「階数」などに基づく規制がある(資料:日経ホームビルダー)
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 「例えば物販店舗などを耐火・準耐火建築物以外の『その他建築物』として検討する場合には、床面積200m2が内装制限の分かれ目。この規模で計画する際には、内装制限を避けて200m2未満に抑える事例も多い」(海老名審査部長)

 また1000m2超の木造・木混構造の建物では、道路に面した部分を除き、建物の周囲に原則3m以上(床面積3000m2以下なら隣地境界線側は1.5m以上)の通路を確保する必要がある。「敷地内通路の条文は、建基法を読んでいても見逃しやすい」と海老名審査部長は注意を促す。

 床面積が500m2超では2階建ての木造建築でも構造計算の対象になる。これも、4号建築物の壁量計算しか経験していない工務店にとっては押さえておきたい分岐点だ。

 建物の用途に関しては学校、体育館、集会場、百貨店、市場、病院、旅館、共同住宅といった「特殊建築物」に該当するかが、まずは重要な分岐点。特殊建築物は「不特定多数や避難弱者が使用する」といった理由から、戸建て住宅などに比べて防耐火や避難の規定が厳しくなる。