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(イラスト:高松 啓二)
(イラスト:高松 啓二)

 「えっ。建築確認済み証って何ですか」

 「A4サイズの分厚い冊子です。冊子の後ろにご自宅の間取り図が入っています。建築確認通知書とも呼ぶので、表紙にはその名前が付いているかもしれません」

 「いや、そんな書類は見たことがありません。そもそも誰からもらう書類ですか」

 「通常は家を建てた住宅会社から受け取りますが、お客様の住宅は建て売りですから、開発主から渡されたはずです。よく捜してみてください。書類があれば、売却を有利に進められますから」

 これは、私が最近手掛けた中古住宅の売却シーンの一コマだ。このケースに限らず、売り主が建築確認済み証をきちんと保管していないケースは多い。

住宅の売却時に不可欠

 建築確認済み証は、一戸建て住宅を売却する際に必要になる書類だ。建設当時の建築基準法上の適法性を確認できるのはもちろん、リフォームをする際に柱や耐力壁の位置を知るために必要になる。

 書類の4ページ目に、耐火構造もしくは準耐火構造と記載されていれば、住宅ローン(中古住宅向けのフラット35など)の適合検査を受けやすくなる。加えて、火災保険の掛け金も大幅に安くなる。

 また、築20年超の木造で住宅ローン控除を利用する場合には、耐震基準適合証明書を取得しなくてはならない。その際、耐震性能を証明するために建築確認済み証が必要になる。このように、売却の際に何かと利用機会の多い書類なのだ。