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基礎断熱は断熱効果が高い「基礎外断熱」と、シロアリが多少侵入しにくい「基礎内断熱」という2種類の工法に大別できる。工法の使い分け方と弱点の対策、断熱材の選び方を取り上げる。(日経ホームビルダー)

 基礎の断熱工法は、断熱材を基礎立ち上がりの外側に張る「基礎外断熱」と、内側に張る「基礎内断熱」とに大別できる。外側と内側の両方に断熱材を張る「基礎両側断熱」という工法もある。

 この中で、断熱効果が高くてより快適なのは、基礎外断熱と基礎両側断熱だ。コンクリートは温まりにくいが、蓄熱性能が高いのでいったん熱を蓄えると冷めにくい。基礎コンクリートを温めたり冷ましたりするのが、常に変動している外気温だ。そのため、基礎の外側に張った断熱材で熱の出入りを遮断するのが、変動する外気温の影響を抑える合理的な選択になる。

 しかし、基礎の外側に断熱材を張ると蟻害を生じやすいという弱点を抱える〔写真1〕。基礎の内側に張るよりもシロアリの侵入経路が多くなるうえ、断熱材と仕上げ材の間など蟻道を外側から目視で発見しにくくなるからだ。そのため、シロアリの活動が活発な地域では、断熱効果が多少低下しても基礎内断熱が多く採用される。

〔写真1〕基礎外断熱の蟻害
〔写真1〕基礎外断熱の蟻害
基礎外断熱で発生した蟻害。外気温より暖かい断熱材内部にすみ着いたシロアリが、木部に移動して蟻害を引き起こした(写真:住まい環境プランニング)
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 断熱効果を確保しながら、蟻害を防ぐ方法として住まい環境プランニング(盛岡市)が提案しているのは、基礎外断熱の天端と土台の接する部分に「蟻(アリ)返し」を設置して縁を切る方法だ〔写真2図1〕。

〔写真2〕蟻返しの隙間をなくす
〔写真2〕蟻返しの隙間をなくす
基礎外断熱の天端に鋼板で製作した蟻返しを取り付けた現場。蟻返しを出隅で接合する部分はハンダで溶接し、防蟻コーキングで隙間をなくす(写真:住まい環境プランニング)
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〔図1〕防蟻ウレタンで蟻害と断熱欠損を防ぐ
〔図1〕防蟻ウレタンで蟻害と断熱欠損を防ぐ
基礎外断熱の詳細図。基礎断熱材の高さを基礎の天端より10mm上げて、蟻返しと基礎、土台の取り合い部に防蟻ウレタンを充填し、蟻害と断熱欠損を防ぐ(資料:住まい環境プランニング)
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 蟻返しがあると、断熱材に侵入したシロアリはいったん外に出ないと土台などの木部に進めないので、蟻害の早期発見が見込める。蟻返しは鋼板などで製作し、継ぎ目からシロアリが侵入できないようにハンダ付けして防蟻コーキングを施す。