ヒノキはシロアリに強い。住宅実務者の間にはそんなイメージが定着している。品確法も小径12cm以上のヒノキを軸組みに使えば、防蟻処理を省略できるとしている。しかし、シロアリ駆除の現場からは「ヒノキの蟻害は珍しくない」との声も多い。本当にヒノキはシロアリに強いのか。日経ホームビルダーは専門家の協力を得て実証実験を行った。その結果、ヒノキといえども防蟻処理をしなければ蟻害を受けることが立証された。

特集
独自実験! ヒノキ神話「シロアリに強い」は本当か?
「防蟻処理なしで大丈夫」は危険!
目次
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危ういヒノキ信仰への依存
住宅実務者の間に根強く残るヒノキ信仰。土台や柱にヒノキを使えば、シロアリを寄せ付けないと考える人は多い。しかし、現実にはヒノキの土台や柱もシロアリの餌食になっている。
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樹種や断熱材別に徹底比較
本当にヒノキはシロアリに強いのか。日経ホームビルダーは専門家の協力を得てヒノキ、ヒバ、スギ、マツの耐蟻性を横並びで実験。同時に、4種類の断熱材の耐蟻性を比較する実験も行った。
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結果1 ヒノキに大量の蟻道が発生
31日間の実験でヒノキに大量の蟻道が発生。「ヒノキはシロアリを寄せ付けない」との神話を覆す結果が出た。断熱材の実験ではポリスチレンフォームや発泡ウレタンでの蟻害が目立った。
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結果2 基礎や床下に使う断熱材で蟻害大
4種類の断熱材の蟻害を調べた実験では、せん孔の程度に大きな差が出た。はっきりとせん孔の形跡が残ったのは、ポリスチレンフォームと発泡ウレタン。シロアリはこれらの断熱材に容赦なく穴を開け、内部を通過した。断熱材の側面には、多数の蟻道を形成した。
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ヒノキでも防蟻処理が不可欠
今回の実験で、従来のヒノキ信仰が覆されたとみてよいですか。