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引き渡しの遅延や対面営業の自粛、顧客心理の冷え込みと強烈な逆風が吹いている。中小住宅会社の財務面での対策を公認会計士の山内真理氏が解説する。


山内真理氏。1980年千葉県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、大手監査法人を経て2011年に公認会計士山内真理事務所設立。NPO Arts and Law代表理事(共同代表)も務める(写真:日経クロステック)

 新型コロナウイルスの感染症拡大による経済的影響の第1波は、中国での生産がストップして資材の輸入ができなくなったことにより起こった。その影響を受けなかった他の業界に先行して、戸建て住宅を手掛ける設計事務所や地域住宅会社、工務店など、住宅業界ではいち早く影響が出たといえる。

 なかでも工事を手掛ける事業者は、もともと日常的に一定のボリュームで資金の出入りがあるビジネスモデルなので、一般に借り入れ依存度が高い傾向にある。着工の遅れや工事の中断などで引き渡しが遅れると、各段階で見込んでいた入金が後ろ倒しとなり、資金が一気に逼迫する。

 今回も、公庫などの特別貸し付けやセーフティネット保証付き融資を利用して、借り換えや新規借り入れを実行し、手元資金の確保に動かざるを得なかった会社が多いのではないだろうか。契約の延期や失注、案件の遅延といった状況を防ぐために、「顧客との打ち合わせをオンライン化する」「オンラインで相談会を実施する」といった工夫を実施している会社もある。

 喫緊の資金対策となるのは、公的な助成・補助制度だ(「使えるか、資金支援制度」参照)。国が示している主な対策の現状を見てみよう。