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現代の技術や知見、生活様式を踏まえれば、科学的な根拠に基づく省エネ性能の高い家づくりの法則が浮かび上がる。part.1は松尾和也氏の寄稿で「科学的家相術」をひもとく。(日経ホームビルダー)

松尾 和也(まつお かずや)松尾設計室 代表
松尾 和也(まつお かずや)松尾設計室 代表
1975年兵庫県生まれ。98年に九州大学工学部建築学科を卒業。2006年4月から松尾設計室の代表を務める。05年サスティナブルTOKYO世界大会で「サスティナブル住宅賞」を受賞。20年に開設したYouTubeチャンネルは登録者数が2万人を超えた。講演も精力的に進め、受講した企業は6000社超。主な著書は「ホントは安いエコハウス」(日経BP)(写真:日経ホームビルダー)
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 最近の建て主は、私が若かりし頃に比べると、「家相」について熱心に気を配る人が少なくなったように感じます。

 そもそも家相とは、昔の人々が長年の生活体験から「こういう間取りにすると〇〇(住まいの不具合)が起こりやすい」といった経験知を、多くの人の失敗経験を積み重ねて抽出し、出来上がったものだと推測しています。

 例えば、「『裏鬼門』に台所やダイニングをつくってはいけない」という考え方は、冷蔵庫がなかった時代に夏、食料を腐りにくくするためには必須でした。裏鬼門とは南西の方角を指します〔図1〕。

〔図1〕「家相」は失敗経験から生まれた経験知
〔図1〕「家相」は失敗経験から生まれた経験知
昔ながらの「家相」は、人々が生活に基づく長年の失敗経験を積み重ねて抽出し、経験知として形成されたと推測できる(資料:松尾設計室の資料を基に日経ホームビルダーが作成)
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