全1790文字
PR

 床下に基礎梁の立ち上がりのない人通口を設ける住宅が増えている〔写真1〕。使いやすいうえ、床下の風通しもよくなるからだ。ただ、梁せいが耐圧版の分しかない状態なので、人通口周辺の補強が不十分だと構造的に危険な基礎梁となる。

〔写真1〕立ち上がりのない人通口
〔写真1〕立ち上がりのない人通口
立ち上がりのない人通口。幅90cmにわたって立ち上がりを切っているのに、両側を斜めの鉄筋で補強しているだけだった(写真:カノム)
[画像のクリックで拡大表示]

 J建築システム(札幌市)が開発した「耐圧版式グリッドポスト基礎」は、構造安全性を確保したうえで立ち上がりのない人通口だらけの基礎をつくることができる工法だ〔写真2〕。床下を換気や空調空間に利用したい住宅会社に人気で、全国の採用事例は累計で約1万棟に上るという。

〔写真2〕十字の束が基礎の立ち上がり
〔写真2〕十字の束が基礎の立ち上がり
基礎梁の立ち上がり部分の代替となるグリッドポストを1.8m以内の間隔で耐圧版上に配置した様子
[画像のクリックで拡大表示]
グリッドポストが載る通りの耐圧版の鉄筋量を増やして地中梁としている様子(写真:J建築システム)
グリッドポストが載る通りの耐圧版の鉄筋量を増やして地中梁としている様子(写真:J建築システム)
[画像のクリックで拡大表示]

 この工法では、「グリッドポスト」と呼ばれるプレキャストコンクリートの束が、柱を載せる基礎梁の立ち上がりに相当する。厚さ170mmの耐圧版内に、D13の鉄筋7本を配筋した地中梁を形成して、グリッドポストが配置される通りを補強する〔図1〕。

〔図1〕あと施工アンカーで固定
〔図1〕あと施工アンカーで固定
上は、柱スパンが1.8m以内の場合の立ち上がりの納まり。地中梁部分の梁せいは耐圧版と同じにしている。グリッドポストはあと施工アンカーで固定する。下は、柱スパンを1.8m超にする場合。地中梁部分の梁せいを300mmまで増やしている(資料:J建築システム)
[画像のクリックで拡大表示]

 グリッドポストと柱は1.8m以内のスパンで配置するのが基本だ。スパンをもっと大きくしたり、柱の軸力が15kNを超えたりする場合には、耐圧版内の地中梁だけでは必要な強度を賄えないので、地中梁部分の梁せいを300mmまで大きくする。

 この仕様は許容応力度計算で検討しているが、特殊な形状なので建築主事が判断に迷わないよう、建築基準法旧38条の大臣認定と日本建築センターの構造評定をそれぞれ取得している。