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元請け会社は通常、付き合いの深い専門工事会社のネットワークを持っているものだ。しかし現場によっては、“なじみ”ではない他の職人が加わることもある。現場監督が統率できないと職人同士のコミュニケーションがうまくいかず、現場の雰囲気が悪くなり、作業の効率や品質に悪影響を及ぼすこともある。

(イラスト:anne)
(イラスト:anne)

 住宅の現場では現場監督の統率の下、職人同士が互いに融通し合うことで効率よく工事を進めるのが一般的だ。だが、昨今は現場監督が職人を統率できず、職人同士のコミュニケーションが取れていない現場が増えている。断熱施工会社のA氏が少し前に関わった現場もその1つだ。

 その現場は若くて経験の浅い監督が担当しており、知識不足が災いして大工職に見下されていた。その大工職はやり取りのなかで現場監督を煙に巻き、自分のやりやすい材料や手順を承認させようとする。

 その殺し文句は「監督の指示どおりにやると工期に間に合いませんよ」。現場監督には反論する知識がなく、さらに工期順守を会社から厳命されているため、いいように大工職に言いくるめられている。

 そうした雰囲気はその他の職人にも伝わり、一部の職人が自分の都合を優先して作業を進めるようになっていた。後から施工する職人のことを考えないので、各所で手戻りや品質低下が生じていた。

 A氏に影響が生じたのは、床断熱のセルロースファイバーのシートを押さえる桟木が大引に施工されていなかったことだ。大工職に尋ねると「現場監督が『これでいい』と言った」と強弁する。