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防火の無指定地域で、あえて「法22条区域」に対応したのが「八ケ岳の秘密基地」だ。筆者の安井昇氏は「規制がない建物ほど、設計者の配慮が必要」と考えている。準防火構造の外壁や内装制限対応などを解説する。(日経ホームビルダー)

 「八ケ岳の秘密基地」は防火指定のない敷地に立っているが、法22条区域対応の仕様で建築した建物だ〔写真1〕。桜設計集団のセミナーハウス兼保養所なので比較的自由に設計できるため、法22条区域に対応する木の現し仕様を示すモデルにした〔図1〕。

八ケ岳の秘密基地
  • 所在地=長野県富士見町
  • 地域・地区=用途地域指定なし/防火地域指定なし
  • 設計(建築・構造)=桜設計集団
  • 施工=鯰組、建築工房 藁
  • 構造・階数=木造・2階建て+小屋
  • 延べ面積=72m2+9m2
〔写真1〕法22条区域に対応する仕様を採用した「八ケ岳の秘密基地」
〔写真1〕法22条区域に対応する仕様を採用した「八ケ岳の秘密基地」
防火指定の無い地域に立つ八ケ岳の秘密基地。石こうボードによらない準防火構造の外壁や内装制限対応など、法22条区域に対応した木の現し仕様になっている(写真:川辺 明伸)
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〔図1〕木の現し術をココに活用
〔図1〕木の現し術をココに活用
八ケ岳の秘密基地の断面図。法22条区域に対応したこの建物では、外壁と軒裏、内装仕上げと3手法の木の現し術を取り入れている(資料:桜設計集団)
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 法22条区域では、延焼のおそれのある部分の外壁は準防火構造(20分)とすることが求められる。2000年建設省告示1362号(19年国土交通省告示200号)に様々な仕様が位置付けられている。