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大手ハウスメーカーでは近年、新築物件の防水性能に関する保証を充実させる動きが広がりを見せた。「初期保証30年」「延長保証60年」などを定番化した5社の取り組みを紹介する。

 新築物件の防水性能に関し、「初期保証30年」を最初に始めたのは住友林業で2009年から。続いて旭化成ホームズが17年に、もともと20年だった初期保証を30年に広げ、その後は他の大手も追った。初期保証が切れた後の延長保証は、積水ハウスが1999年に導入したのが最初だ。

 初期保証30年で各社のおおまかな仕組みは、自社の定期点検で必要と指摘した防水メンテナンス工事の実施を条件に、雨漏り箇所とそれによる室内の汚損箇所を30年間無償で修理する内容〔図1〕。シーリングや塗装、屋根ふき材、外装材の経年劣化はいずれも保証対象に含まない。

〔図1〕点検とメンテナンス工事が保証の条件
〔図1〕点検とメンテナンス工事が保証の条件
防水性能に関する大手ハウスメーカー5社の「初期保証30年」と「延長保証」の概要。定期点検を踏まえた防水メンテナンス工事の実施が条件になる点は共通(資料:日経ホームビルダー)
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 延長保証は初期保証の終了後、定期点検とメンテナンス工事の継続を条件に、10年もしくは15年ごとで最長60年まで、もしくは建物が存在する限り保証を延長する。

 いずれの保証でも免責条件として、「建て主の不注意」「不適切な使用」「自然災害」などが雨漏りの原因となった場合を挙げている。

 初期保証の期間中の点検費用は無料。延長保証では有料とする例が多いが、無料の会社もある。

 初期保証で実施を求めるメンテナンス工事の例は、足場なしで行うシーリングやシート防水の部分補修だ。トップライトまわりのシーリングを10年ごとに打ち替えるといった内容を定めているメーカーもある。

 延長保証では、求めるメンテナンス工事の考え方に、会社による違いもある。積水ハウスとミサワホームは、劣化状態を踏まえて必要と判断したメンテナンス工事を求めている。他方、旭化成ホームズや住友林業、大和ハウス工業は、あらかじめ決められた工事の実施を求める〔図2〕。

〔図2〕メンテナンス工事のメニューと各社独自の建材、仕様の例
〔図2〕メンテナンス工事のメニューと各社独自の建材、仕様の例
大手ハウスメーカー5社の各保証の特徴および保証期間中の実施を条件とするメンテナンス工事の内容、耐久性向上のために採用している建材・仕様の例をまとめた(資料:日経ホームビルダー)
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 このメンテナンス工事に掛かる費用の例は、旭化成ホームズでは、フラットルーフタイプで45坪の住宅の場合約400万円。住友林業では、瓦屋根でモルタル外壁(タイル仕上げ、塗装仕上げとも)の場合、150万~250万円(防蟻工事3回分を含む)だ。