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住宅建設を取り巻く市場環境と法制度が激変する最中の1999年初夏、日経ホームビルダーは創刊した。中小工務店、地域住宅会社は生き残りをかけた選択と競争を迫られる時代に直面。まずは当時の状況を振り返る。

 仕様規定から性能規定へ──。新築の建築物が守るべき最低基準を定めた建築基準法の規定を、1945年の制定後初めて抜本的に見直す改正案が成立したのは98年6月だった。2年後までに施行されることが告知され、建築・住宅関係者がざわつき始めた同じ月、小社の片隅で新規媒体「日経ハウスビルダー(仮)」の開発チームが立ち上がった。

 チームは市場調査やヒアリングを進め、中心読者のモデルを「年間建設棟数5棟、従業員5~6人、元請け、大学卒業後に建築士などの技術者資格を取得した40代の二代目経営者」と設定。「住宅建設技術者のための実務情報」を副題に誌名は「日経ホームビルダー」に決定し、試作版、創刊準備号を経て99年7月号の創刊に至った〔図1〕。

〔図1〕1999年7月号日経ホームビルダー創刊
〔図1〕1999年7月号日経ホームビルダー創刊
日経ホームビルダー創刊号の表紙と特集「新法対応まずここから」の扉(左上)。短時間で読めるビジュアル重視の記事を並べ、顧客対応をテーマにした連載漫画(作:村瀬 春樹、画:みやぞえ郁雄)もスタート。主人公「花見一平太」は以後10年間、日経ホームビルダーを象徴するキャラクターだった(資料:日経ホームビルダー)
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 編集記事は、読者に寄り添う姿勢を基本にした。現場の技術者が知りたいことや不安や不満の解決策を「多忙なあなたに代わって日経ホームビルダーが探ります」というスタンスだ。「技術(性能)」「経営(コスト)」「顧客対応」の3本柱で記事を構成する編集方針を立て、すぐに取り上げるテーマに「改正建基法」「性能保証10年」「性能表示制度」を据えた。

 現場技術者が夜間の事務作業の合間に目を通せるように、新聞感覚の縦書きで文字数を極力減らし、写真やイラストを多用したビジュアル性の高い誌面デザインを採用。「住宅を科学する」をモットーにデータと事例紹介を重視した。独自実験で性能を検証する連載記事は試作版から、顧客対応がテーマの連載漫画は創刊号から、それぞれスタートした。類似の記事構成の専門誌は当時、どこにも見当たらなかった。