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日経ホームビルダー創刊から22年。その間、家づくりの環境は技術・ノウハウから住宅産業の経営課題まで、社会的ニーズを背景に大きく変わった。たどり着いた現在の「新常識」とは?──。項目別に整理する。

 「布基礎と筋交い」の家から「ベタ基礎と耐力面材」の家へ。1995年の阪神大震災を1つの契機として、木造住宅の構造は着実な変化を遂げてきた〔図1〕。

〔図1〕耐力面材とベタ基礎が一般的な姿に
〔図1〕耐力面材とベタ基礎が一般的な姿に
阪神大震災を契機に、木造住宅の耐震性能を強化する機運が高まった。2000年の建基法改正や品確法の施行を経て、高倍率の壁量を確保しやすい耐力面材の採用が徐々に拡大。一方、防蟻目的の劣化対策としてベタ基礎が急速に普及した。「面で固める家づくり」で耐震性の向上を図る傾向が強まった(写真:右上から時計回りに南会工務店、サーラ住宅、匠建築、日経ホームビルダー)
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 住宅金融支援機構の調査によれば、筋交いを用いた住宅の比率は、95年度には全体の85%を占めたが、2017年度には56%に低下。その一方、耐力面材を用いた住宅は、95年度の9%弱から17年度は44%に増加〔図2〕。基礎の仕様も変わった。99年度には過半を占めていた布基礎は17年度で9%、同じく42%だったベタ基礎は90%を超えた〔図3〕。

〔図2〕耐力面材が徐々に増加
〔図2〕耐力面材が徐々に増加
フラット35と旧住宅金融公庫の設計審査に合格した住宅の主な耐力壁の種類。1995年度はほとんどが筋交いだったが、2017年度には耐力面材が大幅に増えた(資料:住宅金融支援機構)
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〔図3〕近年はほぼベタ基礎に
〔図3〕近年はほぼベタ基礎に
同じ調査による基礎の種類。1999年度は布基礎が半数を超えていたが、2017年度はベタ基礎が急増して9割を占めるようになった(資料:住宅金融支援機構)
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