新築住宅の市場にこの20年余りの間、大きなピークは訪れなかった。
新設住宅着工戸数は1999年度の約123万戸から2019年度には約88万戸へと、20年間で約3割も減少。1999年度時点で、直近のピークだった96年度の約163万戸から3年間で約4分の3になっていた市場は、その後も縮小し続けた〔図1〕。
かつても、着工戸数が落ち込んだ時代は何度かあった。第1次オイルショックや第2次オイルショック、バブル景気崩壊の直後には、それぞれ前年度比2~3割程度の大幅な減少となった。しかし、団塊世代の一次取得時期やバブル景気などの到来もあり、いずれも持ち直した。
ところが、2000年代に入ると、戦後最長の6年1カ月続いた「いざなみ景気」や団塊ジュニア世代の一次取得時期があっても、着工戸数はほぼ横ばいが続いた。06年度の約129万戸は、1999年度からわずか4.8%増えたにすぎない。
そこに2007年6月、建築確認を厳格化した改正建築基準法が施行。いわゆる「建基法不況」を引き起こした。さらに、08年9月のリーマン・ショックが追い打ちを掛け、09年度には約78万戸と43年ぶりに100万戸を下回った。
10年度以降、2度にわたる消費税率引き上げなどもあって、100万戸に届かない状況が今に続く。
市場の縮小とともに、それまで新築戸建て住宅を手掛けてきた事業者の数も減った。木造建築工事業と大工工事業を合わせた事業所数は、1999年の約14万から2016年には約7万に半減。この間の着工戸数の減少よりも、減り幅が大きい〔図2〕。