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大成建設が「ウエルネス作業所」の本格運用に乗り出した。現場作業所を仮設型のワークプレイスと捉え、健康的で快適に働ける職場環境を目指した空間づくりに力を入れる。試験導入の効果を踏まえ、順次展開する方針だ。

 青空の下、社員や職長などが図面を広げて、現場のすぐ脇で打ち合わせを始めた〔写真1〕。そこは昼になると、弁当を持った作業員たちが集まるオープンスペースへと早変わりする。

〔写真1〕屋外デッキで打ち合わせも弾む
〔写真1〕屋外デッキで打ち合わせも弾む
東京・赤坂にある「赤坂中学校等整備工事作業所」。2020年2月に「ウエルネス作業所」を先行導入した。写真は、屋外に設けた「アクティブプラザ」で図面を広げて打ち合わせをしている様子(写真:川村 剛弘)
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 大成建設は「ウエルネス作業所」と名付けた新しい作業所をつくり、本格運用を開始した。首都圏3カ所で先行して導入。その費用対効果や課題などを踏まえ、全国で同社が設計・施工を手掛ける工事現場の作業所から順次展開していく方針だ。

 一般的に現場作業所は、プレハブや什器などをリース会社に発注し、コスト優先で建設することが多い。だが仮設とはいえ、工事が長く続けば、働く環境が社員や作業員たちの意欲や心身に与える影響は大きい。同社執行役員の松村正人設計本部長は、「国立競技場の整備事業で約3年の工事現場を経験し、作業所の環境づくりに課題を感じた。目の前の現場から変えることが重要だ」と話した。