建築研究所などがドローンの実証実験を1月17日に公開した。2点係留による外壁点検と、緊急着陸を想定した無係留ドローンの飛行実験だ。実験を踏まえ、ドローンを用いた都市部での建物調査手法の社会実装を目指す。
斜めにピンと張った糸を伝ってドローンが飛び立った〔写真1〕。プロペラ音を立てながら、糸に沿って斜めに上昇する。飛行が制限されている都市部で、ドローンを外壁点検に用いる実証実験の一場面だ。
舞台は高さ約92mの「中野サンプラザ」(東京都中野区)〔写真2〕。建築研究所材料研究グループ主任研究員の宮内博之氏は「2点係留によって建物と一定の距離を保ちやすいので、画像の質が均一になり、外壁調査に向いている」と説明する。
公開した実験は2つ。1つは2点係留による中野サンプラザの西側外壁点検の実験。もう1つは、無係留のドローンの着陸実験だ。一部目視外飛行で、中野サンプラザの屋上から道路を挟んで隣接する中野区役所の屋上へ移動させる。都市部など有人地帯の上空で、操縦者の目視外でドローンを飛ばす「レベル4飛行」を想定した実験だ。主催者は中野区と建築研究所、日本建築ドローン協会、日本UAS産業振興協議会。西武建設が協力した。