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3月16日に発生したマグニチュード7.4の福島県沖地震でコンサートホールの天井が崩落した宮城県白石市の文化体育活動センター(ホワイトキューブ)。全国有数の音響性能を誇るホールの復旧には多額の費用がかかりそうだ。

 「コンサートホールの復旧には8億円ほどの工事費が必要になるのではないか」。白石市まちづくり推進課の斎藤貴之地域振興係長は沈んだ声で取材に応じた。

 1997年に竣工したホワイトキューブは、用地取得費や駐車場整備費、パイプオルガンの設置費用などを含め、計約80億円を投じて建設した街のシンボルだ。2022年3月16日に発生した福島県沖地震でコンサートホールの天井が大規模に崩落し、22年4月22日時点で復旧のめどは立っていない〔写真1〕。

〔写真1〕復旧工事に8億円を見込む
〔写真1〕復旧工事に8億円を見込む
コンサートホールの天井が大規模に崩落したホワイトキューブ。4月22日時点でも、片付けは済んでおらず、復旧のめども立っていない(写真:白石市)
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 3月16日以降、東北地方では度々地震が発生したため、市はコンサートホールへの立ち入りを禁止した。このため、しばらく詳細な被害調査ができなかった。こうした状況を聞きつけた日本耐震天井施工協同組合(以下、JACCA)は市に連絡を取り、組合員の桐井製作所(東京都千代田区)と合同で、ドローンによる調査を3月31日に実施した〔写真2〕。

〔写真2〕ドローンで天井面を調査
〔写真2〕ドローンで天井面を調査
JACCAと桐井製作所は3月31日、ホワイトキューブのコンサートホールでドローンを活用した被害調査を実施した(写真:白石市)
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